導入事例

《株式会社ポリゴン・ピクチュアズ様》
インストールされているソフトウェアの確認が容易になり、350種類近いソフトウェアの適正な管理が可能になりました。

映像制作業
資産管理
745台(Win/Mac)

1983年の創業以来、CG制作の分野で30年以上の歴史を誇る株式会社ポリゴン・ピクチュアズ様。国内外から集結したクリエイターの皆様によって生み出されるコンテンツは、映画やゲームなどさまざまなメディアに対し、常に時代の先端を行く価値を提供されています。
ポリゴン・ピクチュアズ様のコアコンピタンスともいえる個々のクリエイターの映像制作能力を最大限に発揮する上で、ハードウェア・ソフトウェアといった制作環境は重要なファクターとなります。そのため社内のIT資産管理を一手に引き受けるシステム部門では、正確性と効率性に対するたゆまぬ追及がなされています。
「MaLion」をご導入いただいて約1年が経過しましたが、当時ご導入いただいた経緯や決め手などについて、システム部の林様、塩月様に伺いました。

導入の経緯

350種類近いソフトウェアの適正な管理が求められる中、
既存ツールの問題点を解消するべく検討

まずは、御社でIT資産を導入する際のフローについてお聞かせください。

カラフルなパーテーションが印象的なオフィス

弊社では、まず各部門から私達システム部へIT資産の調達に関するリクエストが上がってきます。次にシステム部では、社内で該当するIT資産が余っていればそれを提供し、特に余りがなければ購入調査を行います。調査の上、3製品以上の購入候補とその中からお薦めする1製品を選定して購買担当者へ回します。最後に購買担当者の方で最終判断の上、調達が行われます。以上が原則となりますが、一部のソフトウェアに関しては事前にシステム部へ連絡してもらった上で、各部門から直接調達するケースがあります。

CG制作を生業とする弊社の場合、特に開発部門のワークステーション(CG制作に特化した高性能PC)環境は生産性に大きな影響を及ぼします。CG制作にまつわるソフトウェアについては種類も豊富であり、各部門で必要とする内容も異なってきます。現場主導で調達できる形を採用することで、開発業務の迅速性を優先しています。

ちなみにプロジェクト単位で契約しているフリーランスのスタッフを含めると、毎月10名強の従業員が入れ替わります。システム部では、その都度対象端末の各ソフトウェアライセンスを一旦開放して、新しい従業員のために再度端末のセットアップ作業を行っています。また管理対象となるソフトウェアは、本体とプラグインを併せると合計で350種類近くになります。ソフトウェアの種類が多く利用状況の変化も激しい中、それらを適正に管理することもシステム部の業務となっています。

それでは、IT資産管理ツールの導入をご検討されたきっかけは何だったのでしょうか。

先ほど述べましたように、弊社ではソフトウェア資産が非常に豊富であり管理も煩雑なため、「MaLion」を導入する以前から他のIT資産管理ツールを利用していました。ところが、収集したログ(インベントリ情報)の表示に関して何点か問題がありました。

一番の問題は、特定のソフトウェアがインストールされている端末を調べるためにログをキーワード検索した際、目的外のログが検索結果として一緒に表示されていた点です。具体的には、監視対象端末のIPアドレスを自動的に収集する機能があり、その収集結果が検索結果と一緒に表示される仕様になっていました。これでは、どの端末に特定のソフトウェアがインストールされているのかを簡単に調べることができません。ログを特定の条件でソートする機能もなかったため、キーワード検索で絞り込めない場合、該当のログを正確に把握することができませんでした。さらにログの収集日が表示されないため、収集した情報がいつの時点のものか分からず、IT資産のライフサイクルを管理するという点でも問題がありました。

近年従業員が増加し管理対象となるIT資産が増加する中、このような問題が看過できないものとなっていましたので、新たなIT資産管理ツールの導入を検討することにしました。

「MaLion」以外に導入を検討されたツールはありましたか。

乗換の候補として、「MaLion」と他の製品の2製品に絞って比較検討しました。両製品とも評価版を試用したところ、“特定のソフトウェアの社内導入状況が迅速にわかること”“特定の端末のソフトウェア導入状況が迅速にわかること”“障害発生に備えるべく、過去のIT資産情報についても確認できること”“インベントリだけでなく、各種操作ログも収集できること”など、弊社で必須と考えていた機能はどちらの製品にも備わっていました。価格もほぼ同等でしたので、それ以外の要素も含めて総合的に判断した上で「MaLion」の導入を決めました。

「MaLion」をご選定いただいた "決め手" についてもう少し詳しくお聞かせください。

「MaLion」を選定したポイントは次の3点です。先ほど述べましたように、弊社で必須と考えていた機能がすべて網羅されていた上に、次に挙げるような付加価値が備わっていたことが決め手となりました。

導入の決め手
  • 他社と比べてユーザーサポートの質が優れていた点

    評価版利用時にユーザーサポートを受ける機会があったが、他社製品と比べて「MaLion」の方がユーザーサポートの質が優れていると感じた。具体的には、メールでの問い合わせに対して返信のレスポンスが早い上に、原因究明のための提案も的確であった。サポート面のノウハウがしっかりと蓄積されている印象があり、今後継続して利用する上での安心感につながった。

  • ソフトウェアやPCの環境設定を一斉に配信できる点

    ソフトウェアのパッチや各種設定の適用については、これまでActive Directoryのグループポリシー機能を利用して行っていたが、適用されるまでに時間がかかったり、失敗した場合のリトライ機能がなかったりと十分な手段とは言えなかった。「MaLion」のファイル/ソフトウェア配付機能ならリトライの設定ができ、実行状況(進捗)もわかるため、緊急性の高いパッチの適用などを含め幅広く活用できると感じた。

  • Macの管理に対応していたり、操作性に優れていたりと利便性に優れている点

    社内のMac端末は少数のためMac端末の管理機能は必須ではなかったものの、WindowsとMacの両端末を一元管理できる点は、選定時の後押しとなった。また次に呼び出したい機能がたいてい右クリックメニューに用意されており、迷うことなく操作できる点も良かった。

導入の状況

合計745台のWindowsやMac端末に導入。
管理者7名体制で運用

導入状況について教えてください。

従業員PC(ワークステーション、ノートPC、Mac端末)およびレンダリング用PC(3DCGをレンダリングするための共用PC)、など、合計で745台の端末を「MaLion」で一元管理しています。運用管理はシステム部のスタッフ7名で行っています。

株式会社ポリゴン・ピクチュアズ様 システム概要図

2015年10月に新規導入。子会社(株式会社ジェー・キューブ様)を含む国内の従業員約300名を「MaLion」で一元管理している。
Microsoft Hyper-Vで仮想サーバーを構築し、データべースと中継サーバーを運用している。システム部のスタッフ7名が管理者となり、サーバー系の管理やクライアント系の管理など役割を分担して運用管理を行っている(複数台のPCを所有する管理者もいるため、管理コンソールは計10台に導入)。管理対象端末のOS別比率は、Windows:730台、Mac:15台。

運用と効果

ソフトウェアインベントリを活用した
無駄のない適正なライセンス管理を実現

現在、「MaLion」をどのようにご活用いただいていますでしょうか。また導入効果についてはいかがでしょうか。

システム部サポートグループ
システムエンジニア 塩月 祐基様

導入の経緯”でも触れましたが、もともとソフトウェアのインストール状況の確認など、IT資産管理面で不都合を感じていましたので、「MaLion」の導入によってそれらが解消されました。

例えば、弊社ではプロジェクトごとにCG制作上必要なソフトウェアの起動ボタンを集約したランチャーを用意して制作業務の効率化を図っています。新たなソフトウェアが必要になった際、開発部門の従業員はランチャー上に該当のソフトウェアの起動ボタンがなければ、自身のワークステーションにインストールされていないと判断してシステム部へ問い合わせてくる習慣があります。「MaLion」の導入前は、インストールディスクを持って該当の従業員のワークステーションのところまで行き、インストール作業を始めようとしたら既にそのソフトウェアが導入済みであることがわかったというケースが何度かありました。「MaLion」の導入により、このような問い合わせに対しても従業員の業務を中断することなく、自席からソフトウェアのインストール状況を確認して新たにインストールが必要かどうか判断できるようになりました。

また一度に180台ものワークステーションの入れ替え作業を行う機会があったのですが、その際、ライセンスの無駄を整理するために各端末の導入済みソフトウェア情報を「MaLion」で抽出/出力して活用しました。出力した導入済みソフトウェア一覧を各従業員に見せて、今後も必要なソフトウェアを再度確認させた上でソフトウェアの再インストール作業を進めました。従業員も自身の端末にどんなソフトウェアが入っているのかすべて把握しているわけではありません。あらかじめ一覧をこちらで用意した上で、最近利用しているソフトウェアであるのかどうかを選択してもらいながら進められたのは効率的だったと感じています。

その他、弊社ではCG制作に関連したプラグインの利用も多いため、「MaLion」のインストール不要ソフト導入状況収集機能も有効活用しています。プラグインはWindowsの“プログラムの追加と削除”に出てこないため管理を忘れがちですが、この機能を利用することでプラグインの適正な管理につながっています。

ソフトウェアの棚卸はどのくらいの頻度で行われていますでしょうか。また「MaLion」のご活用についてはいかがでしょうか。

受付ロビーに並ぶ作品群

全社的な棚卸は年に1回行っています。Googleスプレッドシート上にあらかじめ用意した直近の棚卸状況(予定)と、「MaLion」で収集した現状のインベントリの実態を比較して差異の確認などを行っています。

その他、開発部門が直接調達している一部のソフトウェアについては、導入のタイミングがまちまちであったためライセンスの更新が年間に複数回発生するケースがあります。そのため、月一回以上の頻度で特定のIT資産に限定した棚卸を行っています。

その他、「MaLion」の情報漏洩対策機能のご利用についてはいかがでしょうか。

情報漏洩対策については、何かあった際の原因究明のために現状、各種PC操作ログの収集を「MaLion」で行っています。USBメモリなど外部デバイスの接続制御に関して、現状ではActive Directoryのグループポリシー機能を利用して行っています。ただWindows端末しか制御できないなどの制限がありますので、近い将来、「MaLion」を使った制御に切り替えていく予定です。

掲載している情報は、取材日時点のものになります。
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