コラム

FAX廃止を検討中の方へ! 知っておきたい事まとめ

取引先や顧客との連絡手段として長年重要な役割を果たしてきたFAX。クラウドサービスの普及や政府の方針発表などに伴い、FAXの利用は減少傾向にあります。

しかし、一方で既存のやり方を変えられない、取引先との兼ね合いで一方的には判断できないなどの理由でFAX廃止に踏み切れない企業も少なくありません。

今回は、FAX廃止をご検討中の方向けにメリットや代替手段について解説します。

FAX廃止が難しい背景とは?

業務プロセスの変更が必要

FAXを廃止して電子化、システム化する場合、FAX業務フロー全体の見直しが必要です。業務の洗い出しやフローの再設定には時間と労力がかかります。特に部署間で業務を引き継いでいる場合やFAXの送受信件数が多い場合などは、影響範囲が大きくなってしまします。そのため計画段階で断念してしまったという企業も少なくありません。

取引先への影響

顧客や取引先がFAXでやり取りしている場合、一方的なFAX廃止の決定はできません。良好な関係を維持するためにも、事前にFAX以外の方法でやり取りすることの了承を得た方が良いでしょう。また、導入する代替ツールによっては、顧客や取引先も前述のような業務フローの再設計が必要になってしまいます。そのため、FAX廃止を望んでいても、関係性維持のために廃止を断念する企業も多くいます。

管理・メンテナンスコストの問題

FAX電子化のためにシステムを導入する際、機器や契約などの初期費用や運用費用がかかります。また、ツールやサービスによっては運用中の管理・メンテナンスが必要です。FAXの送受信枚数によってはコストに対するメリットが少なく感じる場合もあるかもしれません。

長年の習慣と従業員のリテラシー不足

従業員の中には、今までのやり方を変えることに抵抗感を覚える方もいます。実務担当者であれば、便利になる・楽になるといったメリットよりも新しいことを覚えなければいけないというデメリットが目についてしまうこともあるでしょう。その場合、代替ツール導入時にレクチャーをしたり、軌道に乗るまでのサポートを丁寧に行わなければなりません。

法律や規制に基づく理由

DXやテレワーク推進を追い風に、電子ハンコなどの新しいIT技術や便利なサービスが生まれている一方で、業界によってはそもそも法的整備が整っていないため、FAXの廃止や電子化・デジタル化が困難となっています。日本では行政手続きをはじめとした正式な契約や書面の提出において、印鑑や直筆の文化が深く根付いています。契約書では署名や捺印が求められるため、その提出方法は必然的に窓口での手渡しや郵送・FAXでの送付に限定されます。

FAXを廃止するメリット

業務効率化

日々数十件にのぼる受信FAXの仕分けや引き継ぎ、取引先への送信業務は担当者の負担になっています。また仕分け、処理したFAXはあとから探しやすいようにファイリングして保存・管理することも重要です。

FAXを電子化して紙からデータに置き換えれば、事前に登録したアドレス帳をもとに受信FAXを自動で振り分けでき、仕分けの手間をなくします。さらにPC上で受信FAXの確認や原稿作成から送信まで完結できるので、FAX機と自席を往復したり、FAX対応のために出社したりする必要もありません。

また、電子化されたFAXは検索や共有も簡単です。必要なFAXを探す時間を削減し業務効率が向上します。

コスト削減

FAXを電子化することで印刷にかかる用紙代やインク代などの消耗品のコストをカットできます。FAX機や複合機を設置する必要もなくなり、設置スペースや維持・メンテナンスにかかる手間や費用、電話回線の料金などのコストも削減可能です。

テレワーク・BCP対策への対応

FAXを電子化すれば、インターネット環境があればどこでもFAX業務ができます。そのため、FAX業務のために出社する必要がありません。台風や地震などの自然災害で出社できない場合や、オフィスが停電してしまった場合でも自宅などからFAX業務を継続できるためBCP対策につながります。また、場所を選ばない働き方を可能にしテレワークやリモートワークも推進します。

セキュリティの向上

FAXの電子化は、セキュリティ・ガバナンスの強化にもつながります。紙のFAXは誰でも閲覧できる状態になっています。電子化することで、閲覧権限を設定できるため、担当者以外の盗み見や無断の持ち出しを防止します。また、操作ログを取得することで、万一事故が発生した際の原因究明や対応の迅速化につながります。抑止力としても効果的です。サービスによってはタイムスタンプを付与してFAXの改ざんを防止することも可能です。

環境への配慮

FAXを電子化することでペーパーレス化を推進できます。業務効率化や利便性向上はもちろん、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとなり、企業イメージの向上にもつながります。

FAXの代替手段とは?

電子メール

1つ目はメールに添付して送付する方法です。顧客や取引先との連絡手段としてメールを使っている場合、やり取りの流れでファイルを送れます。また、日常的に使い慣れた手段を使うことで、新しいITツールへの抵抗感も最小限に抑えられます。ただ一方でPPAPや誤送信のリスクがあるほか、添付ファイルの容量に制限があるので利用には注意が必要です。

メリット

  • 使い慣れている

    特にメールは普段から使うシーンが多く、ファイルの添付も簡単にできるため、すぐに使うことができる。

  • 複数の人に同時にファイルを送付できる

    複数人に対して同時にファイル共有をすることができ、従来のFAXに比べ情報共有のスピードが早くなる。

  • やり取りの流れでスレッドを変えることなくファイルを送れる

    従来のFAXでは紙を送り電話で確認というケースが多かったが、ファイルの授受連絡も含めて履歴に残すことができる。

デメリット

  • 誤送信やPPAPのリスクがある

    ファイルやパスワードの送信先を間違えたり、送ってはいけない人がいるグループでファイルを共有をしたり、人的ミスが懸念されるチャットの場合、社内のみに制限されている企業も多い。

  • 添付ファイルの容量制限がある

    メールの送信システムには容量制限もあるため、大きなデータを共有できない場合がある。

  • 添付ファイルの容量に制限がある

    チャットではタイムラインで情報が流れていくため最新のデータが埋もれたり、メールでは大量に届くメールの中から添付ファイルを見つけられなかったり、データを探すのに時間がかかることがある。

オンラインファイル共有サービス

次にご紹介するのはオンラインファイル共有サービスです。ファイルをクラウド上に保存し、インターネットを通じて共有します。場所やデバイスを選ばずFAXデータにアクセスできるため業務効率が向上します。しかし、紙で出力されるFAXと違い保存先のフォルダにアクセスしなければFAXを確認できないため、FAXの受信に気が付きにくい側面もあります。

また、サービスによって運用体制や搭載されているセキュリティ機能が異なるため、自社のポリシー似合ったサービスを選ぶことが重要です。

メリット

  • 外出先でもFAXを確認できる

    ノートPCやスマートフォンでもアクセスできるので外出先や自宅でもFAXを確認可能。

  • 運用、メンテナンスの手間がかからない

    運用中に発生する維持・管理のメンテナンスはサービス事業者が行うので、その負担から解放される。

  • バージョン管理できる

    ファイルの履歴を一元管理できるため、誤って変更してしまった場合でも復元が可能。

デメリット

  • 自らフォルダにアクセスしないとFAXを確認できない

    工場や店舗など、PCが1人1台支給されていない場合、ファイルの閲覧ができない、届いたことに気づかないなど、非効率になる。

  • セキュリティリスクがある

    共有設定を誤ると、意図しない相手にファイルが閲覧されてしまう可能性がある。

  • 自社で障害対応ができない

    障害が発生した場合、ファイルにアクセスできなくなり、ユーザー側はサービスの復旧を待つしかない。

クラウドFAXサービス

クラウドFAXサービスとは、インターネットを経由してFAXを送受信できるサービスのことです。電話回線を使用せず、メールや専用ツールを使って手軽にファイルを送受信可能です。ペーパーレス化やコスト削減を推進できます。

サービスによっては受信FAXの自動振り分けや誤送信防止などの機能を搭載しており、業務効率化や利便性向上につながります。

メリット

  • コストを削減できる

    従来のFAXとは異なり、インクや紙、トナーの交換が不要なため、消耗品を気にせずに送受信が可能。

  • データの管理がしやすい

    デジタルデータで保存されるため、ファイリングや検索が簡単にでき、バックアップもとりやすく、紛失のリスクが少ない。

  • 場所を選ばずに確認できる

    PCなどのインターネットに接続されたデジタル端末があれば社外からでもFAXの処理ができる。

デメリット

  • 手書き文書はスキャンする必要がある

    従来のFAXとは異なり、一度スキャナやカメラを使いデータとして取り込む必要があり、その際には手間が発生する。

  • 受信に気が付かない可能性がある

    従来のFAXのように音がなったり物理的に紙が出てきたりしないため、受信に気がつかない可能性がある。

  • インターネット回線が必須になる

    インターネット回線がつながっていなければ送受信できず、通信環境が不安定な場合だと、送受信に失敗することもある。

チャットツール

チャットは、リアルタイムでメッセージをやり取りできるコミュニケーションツールです。文面やメールと比べ、カジュアルなやり取りやチーム内での迅速な情報共有が可能です。多くのチャットツールはタスク管理やファイル共有、ビデオ通話機能も備えています。FAXの代替ツールとして手軽にファイルを送付できます。しかしメールなら自由に共有相手を設定できるのに対し、チャットの場合は新たにグループを作り直す必要があり、グループが乱立する、情報を探すのに手間がかかる、などのデメリットもあります。

メリット

  • コミュニケーションがスムーズ

    簡単にファイルを送付したり、送付されたファイルにスタンプでリアクションをしたり、迅速なコミュニケーションが可能。

  • 個別またはチームにファイルを送付できる

    チャットルームやスレッド上に手軽にファイルをアップロードして共有可能。

  • プレビューでファイルを確認できる

    ファイルの容量や形式によっては、ダウンロードせずにプレビューで簡単に確認可能。

デメリット

  • 情報が埋もれる

    チャットルームやスレッドが多くなると、情報が流れて見逃がされてしまう。

  • セキュリティリスクがある

    誤送信による情報漏洩やハッキングなどによる不正アクセスのリスクがある。

  • 利用範囲が社内に限定される場合が多い

    セキュリティの観点から、チャットの対象は社内に限定している場合が多く、社外へのファイル送付には使えない。

クラウドFAXサービスなら「まいと~く Cloud」

まいと~くCloud」は累計導入実績16,000社の「まいと~く」サーバーシリーズをクラウド化した送受信対応サービスです。導入や運用の負担がかからず、情報システム部門がなくても簡単にFAXを電子化できます。

ここがポイント

受信FAXを自動振り分け

紙のFAXで行っていた振り分けやファイリングの手間がかかりません。対応の自動化で業務効率化を実現します。

サーバー管理・メンテナンスが不要

クラウドサービスなので、サーバーの構築や設備が不要。これらの専門的な知識も必要としません。

インターネット環境があれば、自席や外出先でもFAX業務が可能

電話回線は不要。インターネットが繋がれば、オフィスや自宅など場所を選ぶことなくFAXの送受信ができます。

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