FAXの電子化とは? メリット、デメリットやサービスの選び方

顧客や取引先とのやり取りにFAXを使用する企業では、FAXのためにわざわざ出社したり、増え続ける紙の管理に頭を悩ませたりしているケースも少なくありません。
これらの課題を解決し、業務効率化を実現する鍵となるのが、デジタルデータで送受信や管理を行うFAXの電子化です。
今回は、FAXを電子化するメリットとデメリットに加え、その主要な手段であるクラウドFAXの選び方について解説します。
FAXの電子化とは

FAXの電子化とは、紙で行っていたFAXの送受信や管理を、インターネットを介してデジタルデータで行うことです。
従来のFAX機や複合機とは異なり、基本的に送受信や管理に紙を必要としません。FAX機で受信した書類もスキャンなどでデジタルデータに変換して保管、管理します。
近年、FAXを電子化する方法として広く活用されているのが「クラウドFAX」です。クラウドFAXがあれば、電話回線を用いずに、インターネット経由でFAXを送受信できます。
パソコンやスマートフォン、タブレットなど、多様なデバイスから利用できる点は、クラウドFAXの大きな特長です。インターネット環境があれば、自宅や外出先など、場所を問わずにFAXの送受信が可能になります。
オフィスにいなくてもFAX業務を行えるようになり、働き方の自由度が高まります。
FAXを電子化するメリット

FAXの電子化には、業務効率化やコスト削減など、多くのメリットがあります。まずは、主な4つのメリットについて解説します。
どこにいてもFAXの送受信ができる
FAXを電子化することで、インターネット環境があれば、様々な場所からFAXの内容確認や送信が可能になります。送受信に際して、わざわざFAX機や複合機のある場所へ行く必要はありません。緊急性の高いFAXへの対応も容易になるでしょう。
テレワークを導入している企業、外回りや出張の多いビジネス環境では、FAX業務のために出社や帰社する必要がなくなり、無駄な時間やコストを削減できます。オフィス内でも自席でFAX業務を行えることから、業務効率の向上が期待できます。
ペーパーレス化できる
FAXの電子化はペーパーレス化を促進し、コスト削減や業務効率化にもつながります。
受信したFAXはデジタルデータとして保存されるため、必要なFAXデータのみを選択すれば、無駄な印刷を減らせます。結果として、紙やインクといった消耗品コストの削減が期待できるでしょう。紙媒体でのファイリング作業も不要となります。
デジタルデータ化されたFAXは、メールやビジネスチャットなどでそのまま二次活用でき、社内外での情報共有の効率化にもプラスです。
また、多くの場合、クラウドFAXは送信完了通知の自動送信機能、送信履歴機能などを備えています。そのため、紙を使用するFAXとは異なり、送達確認の手間が省けることも大きなメリットです。
保管、検索が簡単になる
紙のFAXを保管するには、ファイリング作業や保管スペースの確保が欠かせません。一方、電子化されたFAXはクラウド上に保存できるため、手作業でのファイリングや物理的な保管スペースは不要になります。
また、紙のFAXでは特定の書類を探すのに手間がかかるなど、管理の煩雑さも課題の1つです。
その点、クラウドFAXには検索機能が搭載されており、日付やキーワードでの絞り込みが可能です。これにより、目的の書類にすばやくアクセスでき、業務効率が大幅に向上します。
データ分析に活用できる
各種分析への活用が可能になる点も、FAXの電子化の大きなメリットです。紙のFAXをデジタルデータに変換し、OCR(光学文字認識)処理を経てデータベース化されれば、FAXに記載された情報を業務分析や顧客分析などに活用できます。
例えば、受注FAXのデータベースからは、受注が集中する時期や売れ筋などの把握が可能です。その分析結果をもとに、生産計画の最適化や在庫管理の効率化を図れば、不良在庫の削減にもつながります。
さらに、FAXで寄せられる問い合わせ内容の分析は、顧客ニーズの把握をはじめ、サービス改良や新しい商品の開発に役立てられるでしょう。
FAXを電子化するデメリット

多くのメリットがある一方で、FAXの電子化にはいくつかのデメリットも存在します。クラウドFAXの導入を検討する際には、これらのデメリットも十分に理解しておくことが重要です。
慣れるのに時間がかかる
クラウドFAXは、従来のFAXと操作方法が異なるため、ITツールに不慣れな従業員は、習得までに時間がかかる可能性もあります。また、既存のFAX機や複合機に慣れていた方にとっては、クラウドFAXの操作が難しく感じられるかもしれません。
こうした課題への効果的な対策として、直感的に使いやすいクラウドFAXを導入することが考えられます。操作が簡単であれば習得までの期間が短縮され、業務効率が下がるリスクを低減できます。
そのほか、導入時の研修やサポート体制なども有効な対策です。従業員の疑問点や不明点へスピーディーに応えられる体制を整えることで、導入時の混乱を最小限に抑えられます。
通信環境が必要
クラウドFAXの利用に安定したインターネット接続は不可欠です。通信環境が整っていない場所では利用できません。インターネット回線にトラブルが発生すれば、FAXを送受信できなくなる可能性があります。
普段からインターネット接続が不安定なオフィスでは、利用に際して、ルーターやLANケーブルなどの周辺機器、利用環境、プロバイダーなどを見直してみるのも1つの方法です。
利用料がかかる
クラウドFAXの導入や利用にはコストが発生します。料金体系は、各サービスによって異なります。契約内容に応じた月額利用料を支払う月額課金制が一般的で、ソフトウェアを購入する買い切り型のサービスもみられます。
導入費用を抑えられる月額課金制に対して、買い切り型は購入時のコストが高い分、維持費用を抑えられる点がメリットです。
導入にあたっては、FAX利用頻度を考慮し、機能、サポート体制、利用料金を比較検討して自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。
【FAXの電子化】クラウドFAXの選び方
FAXの電子化の実現を目指す上で、どのようなクラウドFAXを選定すれば良いのでしょうか。次に、自社に最適なサービスを選ぶためのポイントを解説します。
必要な機能があるか
クラウドFAXには、送受信機能のみを搭載したシンプルなサービスのほか、FAX業務の効率化をサポートする多様な機能を備えたサービスもみられます。FAXデータの管理機能、FAX受信時の通知、予約送信などは、クラウドFAXの代表的な機能です。
サービスを選定する際には、事前に自社のFAX業務の課題や必要な要件などを洗い出し、その上で、業務フローに合った機能を備えているか確認するプロセスが不可欠です。
また、スマートフォンやタブレットでの利用も想定される場合は、対応デバイスの種類や操作性などもチェックできると良いでしょう。
サポートがあるか
トラブル発生時のサポート体制が充実しているかどうかも、重要なポイントです。問い合わせ窓口の利用時間や対応方法、対応言語などは、事前に確認しておきましょう。
一般に、日本メーカーはきめ細やかなサポートが期待できるといわれています。一方で、海外メーカーは、電話窓口がなかったり、対応までに時間を要したりする傾向があることも否めません。
そのため、利用の際は、自社の状況に合ったサポートが受けられるか十分な検討が必要です。
無料トライアルがあるか
クラウドFAXのなかには、契約前に無料トライアルを利用できるサービスもあります。導入前の無料トライアルを積極的に活用することで、操作性や使いやすさ、自社のニーズや環境と合致するかどうかなどを判断できます。
「まいと~く Cloud」は、充実した機能と直感的な操作性を有したクラウドFAXサービスです。導入後は、場所や時間を問わず、FAX業務が可能になります。関心のある企業様は、ぜひ無料トライアルをお試しください。
まとめ
FAXの電子化は、送受信時の場所の制約や紙媒体での管理といった従来のFAXの課題を解決し、業務効率化やコスト削減などのメリットをもたらします。一方で、利用するためには、操作の習得や通信環境の整備が必要です。
導入時は、メリットとデメリットを理解した上で、業務に必要な機能やサポート体制などを考慮しつつ、自社の環境に合ったサービスを慎重に選ぶことが重要です。