FAXDMとは? クラウドFAXとの違いや使い分けを徹底解説

見込み顧客や取引先へのアプローチとして、SNS広告やメールマーケティングに限界を感じていませんか。DMが相手に確実に届く方法として、FAXDMの利用も考えられます。今回は、FAXDMの仕組みからメリット・デメリット、成果を高める具体的なポイントまでわかりやすく解説します。
FAXDMとは?
FAXDMは、FAXを活用したダイレクトメールのことです。FAXを使用している顧客に向けた営業手法のひとつとして知られています。商品やサービスの情報をFAXで一斉送信できるのが特長 です。
FAXDMの仕組み
FAXDMは、DMを自社で送信する方法と代行業者に依頼する方法があります。
自社で送信する場合
自社のFAX機やPC-FAXから直接DMを送信する場合は、以下の手順で行います。
- ターゲットリストの準備
業界や企業規模、地域などから精度の高いターゲットを抽出し、リストを作成します。
- 原稿の作成
原稿のデザインは、白黒印刷が基本です。白黒でも内容が明確に伝わるよう、商品やサービスの特徴をわかりやすく整理して原稿を作成します。
- 原稿の送信
自社のFAX機やPCから作成した原稿をターゲットリストの企業に送信します。
代行業者に依頼する場合
FAXDMを専門の代行業者に依頼するのも方法のひとつです。代行業者によって、提供されるサービスは様々です。業者が保有する顧客リストを活用してターゲットを選定することもできます。また、原稿のデザインや印刷、送信、クレーム対応などのサービスを提供している業者もあります。
主な用途
主な用途として、新顧客の開拓があります。法人リストを利用することで、見込み顧客に対して一斉にアプローチできます。
既存顧客や取引先に対する情報提供もFAXDMの用途のひとつです。新商品やセール情報などを、FAXを通じてまとめて顧客に通知できます。他にも、セミナーや展示会のようなイベント情報の告知にもFAXDMは使えます。
メリット
FAXDMのメリットのひとつは、低コストで運用できることです。郵送のDMと比べて、印刷や送付の費用を抑えられます。
高い視認性と即効性もFAXDMの特長です。FAXで自動印刷されることから、企業の担当者が目にする確率が高まります。
また、FAXを利用すれば新商品情報やキャンペーン案内などを短期間で一斉にターゲットへ送信できます。原稿とリストさえあればすぐにアプローチできるため、スピーディーな営業活動が可能です。
代行業者を利用すれば、営業活動の負担を軽減しつつ、ターゲットへ 効率的に新商品情報やイベント情報を届けられます。
デメリット
FAXDMは、受信者側の紙やトナーを消費します。不要なFAXが送られてきたという理由で、ネガティブな印象につながる可能性があります。また、クレームにつながることもあります。
デザイン面での制約もFAXDMのデメリットです。A4サイズの白黒印刷が基本であるため、カラービジュアルを生かした表現が難しい面があります。A4用紙1枚の白黒印刷でも内容が明確に伝わるようなデザインでないと効果が薄れてしまいます。
FAXDMを効果的に実施する方法
ここでは、FAXDMを成功に導くための8つのポイントを解説します。
ポイント① 目的とターゲットを明確にする
FAXDMの最終目的は売上ですが、BtoBではFAXだけで成約に至るケースは多くありません。そのため、資料請求やセミナー申込みなど、次の行動につながるステップを目的として設定することが大切です。
また、FAXDMの成果を高めるには、ターゲットをできるだけ具体的に絞り込む必要があります。FAXを確認しやすい業務フローの企業や、業種・規模・地域・役職などの条件を明確にすることで、訴求内容の方向性が定まり、より適切なアプローチが可能になります。
ポイント② 送付リストを最新・正確に保つ
FAXDMの成果は、どれだけ精度の高い送付リストを準備できるかで大きく変わります。
企業情報は移転・閉業・担当者変更などで頻繁に更新されるため、リストは常に最新の状態に整えておくことが重要です。FAXDM業者のリストを利用する場合は、更新頻度や正確性を必ず確認しましょう。
また、配信停止を希望した企業を確実に管理しておくことで、再送信を避けられ、不要なトラブルを防ぐことにつながります。
ポイント③ メッセージはシンプルかつインパクトを重視する
FAXDMでは、読み手がすぐ理解できるシンプルな構成が重要です。
自社の商品を一方的に宣伝するだけでは響かず、設定したターゲットが抱える課題に対して「自分ごと」と感じられる内容である必要があります。
伝えるポイントは最も重要な要素に絞り、冒頭に興味を引く表現を置くことで、読んでもらえる可能性が高まります。
ポイント④ デザインやレイアウトに注意する
FAXDMはモノクロで届くため、情報を絞り込み、読みやすいレイアウトに整えることが重要です。タイトルや訴求点は大きめに配置し、余白を活かして視線が流れやすい紙面を作りましょう。
また、問い合わせにつながる導線として返信欄を分かりやすく設置し、必要事項を一目で把握できる構成にすることで、反応率の向上が期待できます。
ポイント⑤ 送信タイミングを最適化する
FAXDMの成果を左右する要素のひとつが「送るタイミング」です。週末の直後や月末、長期休暇明けなどは、社内の処理が集中しやすく、FAXの確認が後回しになりがちです。こうした状況では、大量に届く他のFAXに埋もれてしまい、担当者の目に触れないまま見過ごされる可能性があります。
そのため、受信側が落ち着いてFAXを確認できる状況を狙うことが重要です。
例えば、担当者が業務に向き合える時間帯や、社内の流れに余裕があるタイミングに送付することで、目を通してもらえる可能性が高まります。
受信企業の働き方や業務の流れを意識して送信タイミングを調整することで、担当者の目に留まりやすくなります。
ポイント⑥ フォローアップ体制を準備する
FAXDMは反応が出るまでの時間が短く、送信してから数分以内に問い合わせが集中することも珍しくありません。そのため、送信後の反響にすぐ対応できるよう、あらかじめ体制を整えておくことが重要です。
また、問い合わせをしてきた見込み客に対して、どのような流れでフォローアップを進めるのかも事前に設計しておく必要があります。初回対応から次のアクション、さらに成約までのプロセスを明確にしておくことで、機会損失を防ぎ、スムーズな営業活動につながります。
ポイント⑦ 効果測定と改善を繰り返す
FAXDMの平均反応率は、約0.03~0.1%が目安とされています。初回の配信結果を分析し、反応率や成約率を測定することで、次回以降の改善につなげられます。
いくつかのバージョンを作成し、社内や一部の顧客にテスト送信し、そのフィードバックを基に最終版を作成する作業が反応率を左右するといえます。
曜日、時間帯、メッセージ内容、デザインなど、複数のパターンでテストを行い、最も効果の高い組み合わせを見つけましょう。
ポイント⑧ 法令やマナーを遵守する
FAXDMは企業同士のビジネス連絡として利用される場面も多く、BtoBであれば特定商取引法の制限を受けずに送付できます。しかし、法律上問題がない場合でも、ビジネス上の信頼関係を損なわないためには、一定のマナーを守った運用が不可欠です。
FAXDMを送付する際には、まず受信者がいつでも配信停止を依頼できるよう、原稿内に停止希望欄を設ける必要があります。また、停止依頼はFAXで受け付けることが義務づけられています。
さらに、社名・住所・固定電話番号など、送信者を明確に特定できる情報を原稿内に記載することも欠かせません。
配信停止の依頼を受けた場合には、速やかに処理し、それ以降はいかなる場合もFAXDMを送付しないよう徹底することが求められます。
FAXDMを簡単に送るなら「まいと~く Cloud」
FAXDMを効率的に実施したい企業には、クラウドFAXサービス「まいと~く Cloud」をご検討ください。
「まいと~く Cloud」は、FAX送受信をクラウド上で完結できるため、従来のように紙やFAX機を使う必要がありません。メールを送る感覚でFAXを送受信でき、送信履歴や受信データもブラウザー上で一元管理できます。
また、大量送信機能を備えているため、数百件、数千件といった規模のFAXDMも短時間で配信可能です。※送信結果をリアルタイムで確認できるため、不達や再送が必要なケースにも迅速に対応できます。
さらに、多数の企業システムとの連携実績をもち、基幹業務システムや顧客管理システムとのAPI連携によって、FAXDMの送信作業を自動化することも可能です。
まとめ
FAXDMは、低コスト・高視認性という強みを活かせば顧客開拓に大きく貢献する手法です。目的・ターゲット設定、リスト精度、デザイン改善、フォロー体制などを整えることで効果を高められます。自社に合った運用方法を取り入れ、効率的な営業活動につなげてはいかがでしょうか。
