コラム

FAXのメリット、デメリットとは? これからの代替手段を紹介

FAXは今なお多くの企業や医療機関、自治体などで利用されています。その理由として、使いやすさや信頼性の高さなどのメリットがあげられます。一方で、デジタル化が進む現代では、業務効率やコスト、環境面などの課題が指摘されています。

今回は、FAXのメリット・デメリットを整理し、今後主流になり得る代替手段について解説します。FAXからの移行を検討している方や、現状の運用に課題を感じている方はぜひ参考にしてください。

FAXを使うメリット

FAXは誰にでも扱いやすく、信頼性や即時性に優れている点が、多くの業種・業界で根強く利用されている理由のひとつといえます。ここでは、FAXを使うメリットを5つ紹介します。

IT知識やスキルが不要で使いやすい

FAXはボタン操作だけで簡単に文書を送受信できるため、PCやメールの操作が苦手な人でも直感的に使えます。

アカウントの作成やネットワーク設定などの面倒な準備は一切不要で、紙の書類をそのまま差し込み、送信先の番号を押すだけで完了します。

信頼性が高い

FAXはインターネットではなく電話回線を使用するため、サイバー攻撃や不正アクセスのリスクが低く、信頼性の高い連絡手段として評価されています。

また、FAXは送信者の電話番号などの情報が送信時に自動的に記録され、メールのように送信者情報を容易に偽装できないことから、送信者の身元を確実に特定できる点も特長の1つです。

見てもらいやすい

FAXは、紙で出力されることで受け手の視認性が高くなり、メールに比べて見逃されにくいというメリットがあります。

メールのように未読フォルダに埋もれることがなく、FAX文書として物理的に出力されるため、受信に気が付きやすく、重要な情報を見落とすリスクを軽減できます。

また、FAXは特定のターゲットに確実に情報を届ける手段として、販促活動にも活用されています。特に、パソコンが一人一台普及していない環境や、デジタル機器に慣れ親しんでいない顧客層に対して、FAXは依然として重要な連絡手段となっています。

実際に、地域密着型の店舗やサービス業では、FAXによるダイレクトマーケティングが今なお有効な手法として使われています。

緊急連絡用に使える

インターネット環境やメールサーバーに障害が発生した場合、メールやチャットなどの通信手段が使えなくなることがあります。

そうした非常時においても、FAXは電話回線が通じていれば利用できるため、災害時や緊急連絡の手段として有効です。

フォーマットが自由

FAXは、手書きのメモや図面、イラスト、複雑なレイアウトのチラシなど、どのような形式の紙文書でもそのまま送信できます。

スキャンしてPDFにしたり、デジタル化してメール添付用のファイルに変換したりする手間がないため、現場で発生した情報を素早く共有したいときに便利です。

FAXを使うデメリット

FAXは利便性が高い一方、時代の変化とともに様々な制約や不便さが目立つようになってきました。

特にデジタル化が進む現代においては、FAX特有のアナログ性が業務効率を下げたり、紙の消費による環境負荷を高めたりするケースも少なくありません。

ここでは、FAXを利用する際の主なデメリットを紹介します。

導入・維持費用・送信コストがかかる

FAXを利用するには、初期費用として機器の購入またはレンタル料金が必要です。

また、日常的な使用においてもトナー代や用紙代、電話回線の通信費など、維持にかかるコストは無視できません。

特に大量に送信する場合、1通あたりの送信コストが積み重なり、年間で見ると大きな負担になることもあります。

確認・返信までのタイムラグがある

FAXは送信すれば相手へ届きますが、内容を確認してもらうまでに時間がかかる場合があります。

特に、受信者が不在の場合やFAXが別室に設置されている場合は、確認までにタイムラグが生じることも少なくありません。

その結果、返信や対応が遅れ、重要な連絡事項が円滑に共有されないこともあります。

書類のファイリング・保管に手間がかかる

FAXで受信した書類は基本的に紙で出力されるため、内容ごとに分類・ファイリングが必要です。

また、保管スペースの確保も欠かせず、文書管理が煩雑になって必要な情報の検索に時間を要することがあります。

さらに、紙は時間の経過とともに劣化しやすく、紛失のリスクもあるため、長期保管には適していません。

送信ミスがある

FAXでは送信先の番号を手動で入力するケースが多く、入力ミスによって無関係な宛先へ機密情報を誤送信してしまうリスクがあります。

こうした問題は、情報漏洩や信用失墜といった重大な事態に直結する可能性も少なくありません。

また、機器の操作ミスや紙詰まり、印刷不良など、アナログ特有のトラブルが発生することもあります。

ペーパーレス化を阻害する

FAXは紙を前提とした通信手段であるため、企業のペーパーレス化推進において大きな障害となり得ます。

多くの業務がデジタル化される中で、FAXだけが紙での送受信を必要とするため、せっかく他の作業をペーパーレス化しても、FAX業務だけは従来通り紙に頼らざるを得ません。その結果、完全なペーパーレス環境を構築することが難しくなり、企業のデジタル化の足かせとなってしまう恐れがあります。

また、クラウドやオンラインツールのようにどこからでもアクセス・共有ができる仕組みとは異なり、FAXは物理的な送受信が前提であるため、出張先や在宅勤務では活用しづらい傾向にあります。

FAXの代替手段

企業のDX化を進めるには、紙ベースの業務をデジタル化し、より効率的で安全な情報共有体制を整えることが重要です。そのため、FAXの代替手段を検討することは欠かせません。

現在では、紙を介さずにデータを送受信できる多様な手段が登場しており、業務効率とセキュリティの両面でメリットがあります。ここでは、FAXに代わる3つの手段を紹介します。

クラウドストレージ

クラウドストレージとは、インターネット上にデータを保存し、どこからでもアクセスや共有ができる仕組みです。

Google Drive、Dropbox、OneDriveなどが代表例で、相手にURLを送るだけでファイルを共有できます。

FAXのように紙を印刷する必要がなく、大量のデータも一括で共有できるため、作業効率を大幅に高められます。

また、ファイルのバージョン管理や権限設定なども可能で、セキュリティ面で優れている点もメリットです。

ビジネスチャット

SlackやChatwork、Microsoft Teamsといったビジネスチャットは、スピーディーかつ柔軟なコミュニケーション手段として、多くの企業で導入が進んでいます。

チャット形式でのやり取りに加え、ファイル共有やグループ作成、タスク管理など、業務に必要な機能が充実しています。

FAXでは確認や返信に時間がかかる場合がありますが、ビジネスチャットなら即時対応が可能です。

また、やり取りの履歴が残るため、誰がどの資料を共有したかを容易に確認でき、情報の可視化にも役立ちます。

一方で、セキュリティポリシーの関係から、利用範囲を社内に限定している企業もあります。

クラウドFAX

クラウドFAXは、FAX機を使わずにクラウド上でFAXの送受信ができる便利なサービスです。

インターネット環境があれば、パソコンからFAXを送受信できるため、外出先や在宅勤務中でもFAX業務が可能になります。

専用の電話回線や複合機を用意する必要がないため、コスト削減にもつながります。

また、データ化されたFAX文書は自動で保存されるため、検索も容易です。

クラウドFAXを導入するなら「まいと~く Cloud」

クラウドFAXを導入するなら、導入実績が豊富な「まいと~く Cloud」をご検討ください。

まいと~く Cloud」は、FAXの送受信をメールのような感覚で操作でき、誰でもすぐに使いこなせます。FAXの閲覧や仕分け、共有といった業務もすべてクラウド上で完結するため、出社せずとも在宅でFAX業務が可能です。

また、基幹業務システムとの連携も可能で、受信したFAXデータを自動で指定のフォルダに保存したり、業務フローに組み込んだりと、より高度に運用できます。電話回線やサーバーの準備、メンテナンスが不要で、スムーズに導入できる点もメリットです。

FAX業務の効率化を検討している企業様は、ぜひ以下より詳細をご確認ください。

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まとめ

FAXはIT知識が不要で誰でも使いやすく、セキュリティ対策としても活用できるといったメリットがあることから、長年にわたって多くの企業で活用されています。

しかし、デジタル化が進む現代においては、そのアナログな性質が業務効率や環境配慮の面で課題となっています。

その課題を解決する手段として、クラウドストレージや社内用ビジネスチャット、クラウドFAXといったツールの活用が効果的です。より柔軟で効率的な働き方を実現するためにも、これらの代替手段を検討してみてください。

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