コラム

FAXのセキュリティは大丈夫? 情報漏洩の原因とセキュリティリスクを回避する方法

FAXは、インターネットを介さずにデータのやり取りができることから、比較的安全性の高い通信手段とされています。しかし、人の手で操作する場面が多く、送信先の番号間違いや原稿の取り違えなど、人的ミスによる情報漏洩のリスクが常に存在します。

特に機密情報や個人情報を扱う業務では、わずかな誤送信でも重大なトラブルに発展しかねません。今回は、FAXに潜むリスクとその対策について詳しく解説します。

紙FAXは情報漏洩が起きやすい! その原因は

FAXは「紙」という物理的な媒体を扱うことから、操作ミスや管理ミスによって、重要な顧客情報や契約書類などが第三者に漏れるリスクがあります。特に、送信時の人的ミスや受信後の管理不備は、日常業務の中で見落とされがちです。

ここでは、紙FAXによる情報漏洩の原因について解説します。

誤送信

FAXを利用した情報漏洩で多いのが「誤送信」です。送信先の設定や操作に不備があると、意図しない相手に重要な文書が届いてしまい、深刻なトラブルにつながる可能性があります。

紙FAXは一度送信してしまうと取り消せないため、操作ミスがそのまま情報漏洩につながってしまう点が大きなリスクです。

ここでは、誤送信の主な原因を3つ紹介します。

送信先番号の入力ミス

FAX番号を手動で入力する場合、数字の打ち間違いによって、まったく別の相手に送ってしまうリスクがあります。
特に慣れた作業で確認を怠った場合、ミスに気が付かないまま送信されることも少なくありません。
また、短縮ダイヤルに設定していても、番号を押し間違えると誤送信につながります。

アドレス帳の設定ミス

FAX機のアドレス帳機能を活用していても、登録ミスがあると誤送信の原因になります。
例えば、類似した会社名を誤って登録してしまったり、入力時に番号を1桁でも間違えたりすると、本来送るべきではない相手に情報が届いてしまいます。
一度登録した情報を信頼して使い続けることが多いため、最初のミスが長期間見落とされるケースも少なくありません。

送信する原稿の取り違え

業務が忙しいときや、複数の書類を同時に扱っている場合、FAXで送る書類を取り違えてしまうことがあります。
例えば、取引先Aに送る書類と取引先Bに送る書類を同時に準備していたところ、誤って逆に送ってしまったというケースです。
特に複数ページにわたる送信時には、ページの順序ミスや不要な文書の混入などにも注意が必要です。

置き忘れ

FAXの受信トレイに届いた書類をそのまま放置した場合や、コピー機やデスクの上に置きっぱなしにした場合、第三者の目に触れる可能性が出てきます。

特に複数人が利用するオフィスや共用スペースでは、意図せず他人が内容を目にするリスクが高くなります。

また、外出先に書類を持ち出してそのまま忘れてしまうなど、紙媒体特有の「物理的な管理リスク」は避けられません。

紙FAXによるセキュリティリスクを回避する方法

紙FAXの利用には誤送信のリスクがつきまといますが、チェック体制を整えることでミスを防げます。

ここでは、紙FAXによるセキュリティリスクを回避する方法について詳しく紹介します。

チェック体制を整える

FAXの誤送信を防ぐには、送信前のチェック体制を整えることが重要です。例えば、送信前に必ずダブルチェックを実施するようにルール化することで、宛先ミスや送信原稿の間違いを減らせます。

また、従業員に対して定期的にセキュリティ教育を実施し、FAXの正しい操作方法や注意点を再確認させるとともに、誤送信による情報漏洩の事例やリスクを社内で共有して日常的に意識させることも重要です。

加えて、FAX送信時に使うマニュアルやチェックリストを用意しておくことで、業務の属人化を防ぎ、誰が操作しても同じ品質で情報を扱える体制が整います。

ビジネスチャットで書類のやり取りする

紙FAXに代わる手段として、ビジネスチャットを活用する企業が増えています。チャット形式でリアルタイムにやり取りできるため、宛先の入力ミスや紙の取り違えといった人為的ミスを防げます。

また、送信履歴が自動で記録されるため、後からの確認も容易です。添付ファイルもチャット上で安全に送受信でき、FAXよりも効率的でセキュアなコミュニケーションが可能です。

ただし、企業によってはセキュリティポリシーの問題でビジネスチャットの利用を社内に限定している場合もあります。

クラウドFAXを導入する

紙ベースによる物理的なセキュリティリスクを回避する上で、クラウドFAXへの移行もひとつの手です。

クラウドFAXはインターネットを通じてFAXの送受信を行うため、FAX機器や電話回線が不要で、紙に印刷・保管する手間も省けます。

さらに、クラウドFAXには暗号化通信やアクセス制限などの高度なセキュリティ機能が備わっており、情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。

ペーパーレス化を進めたい企業にとっても、業務効率の向上とコスト削減を両立できる有効な選択肢といえるでしょう。

クラウドFAXにおけるセキュリティ機能

クラウドFAXには、送信前の確認機能、アクセス制御、通信の暗号化など、多層的なセキュリティ対策が施されており、安心して日常業務に活用できます。

ここでは、クラウドFAXのセキュリティ機能を具体的に解説します。

誤送信防止機能

クラウドFAXには、送信前に宛先や内容をプレビューできる機能が標準搭載されており、誤送信を未然に防ぐことが可能です。

FAX番号の入力ミスや、誤った宛先への送信を避けるために、入力時にリアルタイムで警告を出す仕組みを備えているものもあります。

さらに、送信前に上司や担当者の承認を得る「承認ワークフロー」機能を活用すれば、ダブルチェックによる人的ミスの防止につながります。

2段階認証・アクセス権限設定

クラウドFAXでは、社内ネットワークからの不正アクセスをブロックする対策として、2段階認証・アクセス権限設定を備えています。

2段階認証とは、IDとパスワードに加え、SMSやアプリで発行されるワンタイムコードを入力することで、なりすましや不正ログインのリスクを軽減できる仕組みのことです。

アクセス権限は、ユーザーごとに権限を細かく設定できる機能です。管理者、閲覧専用、送信可能などの権限を付与し、情報へのアクセス範囲をコントロールできます。

送受信記録の保存

クラウドFAXでは、送信・受信の全履歴が自動的に保存されるため、情報管理の透明性が高まります。過去に送った書類や受信した書類を簡単に検索・確認でき、トラブル時の証拠保全や内部監査にも対応可能です。

また、インターネット環境があれば自宅や出張先からアクセスできる点も魅力です。

さらに、紙のFAXでは困難だったログの一元管理が可能となり、作業効率と安全性の両立を実現します。こうした記録機能は、情報漏洩や操作ミスが発生した際の原因追跡にも役立ちます。

SSLによる暗号化

クラウドFAXの多くは、SSL(Secure Sockets Layer)をはじめとした暗号化技術を導入し、通信の安全性を確保しています。

SSLとは、データの送受信時に第三者から内容を読み取られないよう情報を暗号化する技術のことです。

この暗号化によって、送受信されるFAXデータやログイン情報が外部に漏洩するリスクが大幅に軽減されます。

基幹業務システムとの連携による誤送信防止

クラウドFAXは、受発注システムや販売管理システム、在庫管理システムなどの基幹業務システムとの連携が可能です。

そのため、人の手を介さず自動でFAXを送信する仕組みが構築でき、宛先選択ミスといったヒューマンエラーを防止できます。また、受信FAXの内容を基幹システムへ自動取り込みすることで、手入力の手間を省くことも可能です。

例えば、受注データをもとに発注書を自動生成し、そのまま取引先へFAX送信できるように設定すれば、業務効率を大幅に高めながらセキュリティの強化も図れます。

クラウドFAXを導入するなら「まいと~く Cloud」

クラウドFAXの導入を検討している場合は、高機能かつセキュリティに優れた「まいと~く Cloud」をご検討ください。メールのような感覚でFAXの送受信ができ、誰でも簡単に扱える操作性が特長です。

FAXの閲覧や振り分け、社内共有といった作業をすべてクラウド上で完結できるため、オフィスに出社せずともリモートワークでの運用が可能となります。

さらに、通信の暗号化、アクセス制限、2段階認証、誤送信防止機能(オプション)といった高度なセキュリティ機能を搭載しており、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に軽減します。

加えて、FAX送信時に上司の承認を挟むチェック機能で誤送信を防止できるほか、販売・受発注システムなど基幹業務とのスムーズな連携にも対応。導入後すぐに業務効率化を実感できます。

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まとめ

紙FAXは今なお多くの企業で利用されていますが、誤送信や情報漏洩といったセキュリティリスクがつきまといます。こうしたリスクを最小限に抑えるには、チェック体制の強化や社内教育に加え、より安全で効率的な手段への移行が不可欠です。

特にクラウドFAXの導入は、情報管理の精度を高めつつ、ペーパーレス化やテレワーク対応も可能にする合理的な選択肢です。自社のセキュリティ体制を見直し、業務環境の整備を検討してみてください。

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