FAX受信後はどうする? 返信マナーや効率的に行う方法

取引先や顧客からFAXを受信した後の対応方法に迷うことはありませんか。特にFAX業務に不慣れな方にとっては、「FAXの返信方法やマナーに失礼がないだろうか」と不安を覚える場面があるかもしれません。
そこで今回は、FAXを受信した後の返信の方法やマナー、FAXの返信業務を効率的に行う方法について解説します。
FAX受信後には返信するのがマナー?

そもそも取引先や顧客からFAXが届いた際に、受信した旨を報告する返信は必要なのでしょうか。まずは、ビジネスシーンにおけるFAX受信後の対応について解説します。
必ずしも必要ではないが返信すれば丁寧な印象
結論からいうと、FAX受信の連絡は必須ではありません。通常、送信エラーがなければ、FAXは問題なく送付先に届いていると考えられます。
しかし、FAXには既読機能がないため、送信側は受信確認ができず、不安に感じることもあります。特に重要書類のやり取りとなれば、その不安はいっそう強まるでしょう。
受信側がFAXを受け取った後に連絡を入れることで、「FAXは本当に届いているのか」という送信側の不安を解消できます。また、受信側が返信することで、ビジネスマナーとしても親切かつ丁寧な印象を相手に与えられます。
FAXの不達の原因や起こり得るトラブルについては、こちらの記事をご覧ください。
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FAXでの返信を求められることがある
要件によっては、FAXでの返信が求められるケースもあります。例えば、出欠確認の案内状や、注文書と受注書が一体となった書類などでは、受信したFAXに必要事項を手書きで記入し、そのまま返信するのが一般的です。
また、「FAXで返信をお願いします」といった要望がある場合や、あらかじめ返信欄が設けられているFAXについても、電話やメールではなくFAXでの対応が求められます。
電話、メールで良い場合もある
返信が必要なFAXの中でも、返信方法が明記されていない場合には、電話やメールで対応しても差し支えありません。特に、緊急性の高い内容や早急に確認が必要な要件であれば、FAXよりも電話のほうが迅速かつ確実です。
また、特に返信を求められていないケースや、日常的なやり取りであれば、メールでの返信でも問題ありません。
双方の関係性や緊急度などに応じて、適切な連絡手段を選ぶことが重要です。
FAXでの返信時のビジネスマナー

次に、受け取ったFAXに対して、同じくFAXで返信する際に心がけたいビジネスマナーを解説します。対応のポイントは次の3点です。
返信する前に内容の確認をする
FAXでの返信にあたり、受信したFAXの内容を十分に確認しておきましょう。
まずは、送られてきたFAXの枚数が送付状に記載されている枚数と一致しているかチェックします。枚数が合わない場合は、送信ミスや受信エラーの可能性が考えられるからです。
次に、送信元や宛先、大まかな要件などを確認します。この時点で、文字や画像に不鮮明な部分はないかチェックしておくと良いでしょう。場合によっては、先方への確認が必要です。
自分宛ではないFAXは、宛先の担当者のもとへ速やかに届けます。
宛名の敬称を修正する
受信FAXの必要項目に追記して返信する際には、宛名の敬称の修正が必要です。一般に、受信FAXに印字された「行」や「宛」などは、返信時に二重線で抹消し、適切な敬称をつけることがビジネスマナーとされています。
郵便の宛名と同様に、「行」や「宛」のまま返信する行為は失礼にあたります。個人名であれば末尾に「様」をつけ、「〇〇様」とするのが基本のマナーです。複数名に対しては、「担当者各位」のように「各位」を用いる場合もあります。
企業名や団体名、部署名には敬称として末尾に「御中」をつけ、「△△株式会社 御中」「株式会社△△総務部 御中」のように表記します。
なお、「株式会社△△御中 営業部営業二課御中」「株式会社△△御中 〇〇様」といったように、「御中」や「様」を重ねる使い方は誤用です。「株式会社△△ 営業部営業二課 御中」「株式会社△△ 〇〇様」のように敬称は1つだけ使用します。
挨拶文を入れる
FAXの送付状の冒頭には、「平素よりお世話になっております」や「いつもご利用ありがとうございます」などの挨拶文を添えましょう。たとえ簡易的であっても挨拶の言葉があるだけで、ビジネスにふさわしい丁寧な印象を与えます。
このような細やかな心遣いやマナーが取引先との良好な関係の維持につながります。
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FAXでの返信は業務負担になることが多い
FAXでの返信は、送付状の作成や、受信したFAXへの手書きでの記入などに時間と手間を要します。
実際に、FAXを受発注業務に活用している企業では、1日に何十枚、何百枚と届くことも珍しくありません。これらに1件ずつFAXで返信する作業は、従業員の大きな負担となります。
たとえ単なる受信確認であっても、他の作業を中断してFAXを送信したり、電話をかけたりする必要があるため、そのたびに集中力が途切れ、ストレスや手間が増してしまいます。
もしFAX業務が過度な負担となっているようであれば、受信確認の必要性について取引先に相談してみるのも1つの方法です。また、こちらからFAXを送る際には、内容に応じて「ご返信は不要です」と明記することで、相手方の業務負担を軽減することにもつながります。
FAX返信を効率的に行う方法
取引先の数や返信回数が増えるほど、FAX業務の負担も大きくなります。ここでは、こうした負担を軽減する方法を紹介します。
返信テンプレートやスタンプを活用する
定型的な返信が多い場合は、返信テンプレートやFAX用スタンプを有効活用することで、作業にかかる時間と手間を軽減できます。
お礼状や送付状などの返信テンプレートに、社名や部署、連絡先などの情報、挨拶文などを事前に記載しておけば、作成の手間を省けます。取引先ごとに調整が必要な場合は、企業別テンプレートを用意することで、さらなる効率化を図れるでしょう。
そのほか、「確認済」「受領いたしました」「ありがとうございます」などのFAX用スタンプもあると、捺印のみで済むため、書面への書き込み作業を減らせます。
ビジネスチャットを導入する
FAXの返信にビジネスチャットを活用することで、FAX業務の効率向上が期待できます。FAXのように送受信の手間がかからず、電話ほど相手の時間を拘束することもありません。メールよりもスピーディーで手軽なやり取りが可能です。
さらに、セキュリティ性が高い点もビジネスチャットの利点です。受信確認の連絡だけでなく、書類のやり取りにも利用されています。
複数名での情報共有には、グループチャットも便利です。FAXに代わる書類の共有手段として活用できれば、FAXのように1名ずつ書類を送信する手間が省け、作業効率が格段にアップします。
クラウドFAXを導入する
従来のFAX機や複合機からクラウドFAXへ移行することで、FAX業務が大幅に効率化されます。クラウドFAXとは、インターネット経由でFAXを送受信できるサービスです。
クラウドFAXサービス「まいと~く Cloud」であれば、FAXの受け取り通知を自動返信できるため、手作業での受信連絡が不要になります。取引先に「FAXは本当に届いているだろうか」と無用な心配をさせることもなくなるでしょう。
また、定型文やスタンプを使用した簡単な返信FAXの作成も可能です。返信FAXにかかる時間や手間を省けるだけでなく、人為的ミスの防止やペーパーレス化によるコスト削減などにも貢献します。
FAX業務の効率化に関心のあるご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
要返信の場合を除き、基本的に受信FAXへの返信は必須ではありません。しかし、目的や状況に合った返信ができれば、取引先に好印象を与えられます。FAXでの返信時は、宛名の敬称を訂正し、挨拶文を添えるなど、ビジネスマナーにも配慮しましょう。
FAX返信の業務負担を軽減するには、返信テンプレートやスタンプの活用に加え、ビジネスチャットやクラウドFAXの利用も効果的です。取引先の不安軽減と自社の業務効率化を両立できる方法を検討し、スムーズなFAX業務を実現させてください。