コラム

FAXの受発注業務を自動化する方法とは? メリットと実践方法を解説

受発注業務にFAXを利用している企業は依然として多く存在します。しかし、紙でのやり取りは「確認や仕分けに手間がかかる」「情報共有が遅れる」「紛失や入力ミスのリスクがある」といった課題があります。

そこで注目されているのが、FAX業務をクラウドや各種システムと統合し、自動化する方法です。今回は、FAXの受発注業務を自動化する方法やメリットについて解説します。

FAXの受発注業務における課題

業務効率化やセキュリティが求められる現代のビジネス環境において、FAXには多くの課題があります。ここでは、FAXを利用した受発注業務でよくみられる課題を解説します。

人為的ミスが発生しやすい

FAXで送られてくる注文書は、担当者が一枚ずつ確認し、手作業でシステムに入力する必要があります。この手作業の過程では、「数字の入力ミス」「注文内容の見落とし」「判読困難な文字による誤解」などの人的ミスが発生しやすくなります。

特に注文件数が多い企業や繁忙期には、担当者の負担が増えることでエラーの可能性も高まるでしょう。

時間とコストがかかる

受発注業務は、スピードの面で大きな課題があります。受信後に紙を取りに行き、他の書類を仕分け、注文内容をシステムに入力するまでに時間がかかります。この一連の作業には複数の人や部署が関わることも多く、全体として大きな工数が発生します。確認の遅れそのものよりも、こうした非効率な作業プロセスが業務全体の生産性を下げている点が課題といえるでしょう。

また、FAX機自体の維持管理にもコストが発生します。トナーやインク、用紙といった消耗品代に加え、機器のメンテナンス費用も必要です。

見落としや遅延が発生する

FAXによる受発注では、注文の見落としや処理の遅延が発生するリスクも高まります。

特に、受発注業務を行っている企業では、FAXの受信担当が部署ごとに分かれている場合が多く、どの内容をどの担当者が処理したのかが把握しづらくなることがあります。その結果、情報の集約や進捗の共有に時間がかかり、対応の遅れや重複対応が発生するリスクがあります。

また、業務が特定の担当者に依存していると、不在時に作業の引き継ぎが難しくなり、結果として顧客対応のスピードや品質が低下するリスクがあります。

さらに、FAXは到着順に紙で出力されるため、大量の注文が重なると、重要な依頼が他の書類に埋もれてしまう可能性も否めません。

誤送信やセキュリティリスクがある

企業では、取引先のFAX番号を事前に登録して運用しているケースが一般的ですが、それでも誤送信のリスクが完全になくなるわけではありません。

例えば、繁忙期などで複数のFAXを立て続けに送信する際、原稿を取り違えて別の取引先へ送信してしまうケースがあります。特に紙の原稿を手作業で扱う場合、宛先ごとの仕分けや確認が不十分になると、誤送信につながるリスクが高まります。

一度誤って送信されたFAXは回収できないため、顧客情報や契約書、発注内容などの機密情報が、意図せず外部に漏洩するリスクが生じます。

こうした情報漏洩は、企業の信用を著しく損なうだけでなく、コンプライアンス違反や、場合によっては法的責任を問われる事態にもつながりかねません。

FAXの受発注業務を自動化するメリット

FAXには「非効率さ」や「ヒューマンエラーのリスク」といった問題がありますが、自動化できれば解消できる可能性があります。

ここでは、FAX業務を自動化するメリットについて整理しましょう。

人為的ミスを削減できる

従来はFAXで届いた注文書を担当者が確認し、システムに入力していましたが、この作業には誤読や入力ミスがつきものです。OCRなどの仕組みを活用して処理を自動化すれば、FAXで届いた情報を自動的にデータ化して処理できるため、転記作業やダブルチェックの手間が不要になります。

また、注文内容を正確なデジタルデータとして即時に共有できることで、確認や承認のスピードが向上し、誤出荷や納期遅延といったトラブルの防止にもつながります。結果として、業務の正確性と顧客満足度の向上を同時に実現できます。

コストを削減できる

FAXを使った業務では、紙やインク、トナーといった消耗品費用や、複合機のリース代、メンテナンス代が継続的にかかります。また、送受信した大量の書類をファイリングして保管するためのスペースや人件費も必要です。

受発注業務を自動化してペーパーレス化すれば、こうした物理的なコストを削減できるだけでなく、入力や仕分けといった人的コストの削減にも直結します。

さらに、電子データとして管理することで検索や共有も容易になり、情報管理の効率化による間接的なコスト削減効果も期待できます。

納期回答の工数が減る

従来のFAX業務では、受信後に紙を確認し、担当者がシステムへ入力し、さらに納期を調整して書類を作成し直すといった複数の手順が必要でした。

OCRなどを活用して受注処理を自動化すれば、受注データがそのまま基幹システムに反映され、在庫や生産状況と連携して納期を自動で算出することが可能です。

そのため、手作業で行っていた確認作業や書類作成の時間が不要となり、担当者はより付加価値の高い業務に集中できます。結果として全体のリードタイムが短縮され、現場の生産性向上や顧客対応のスピードアップにつながります。

FAXの受発注業務を自動化するための方法

FAXによる受注業務を自動化するには、FAXの電子化・データ化・システム連携の3つのステップが必要です。

具体的には、「クラウドFAX」で紙のFAXを電子化し、「OCR」で注文書の内容をデータ化、さらに「業務システム」と連携させることで処理を自動化します。ここでは、それぞれの役割と特徴について紹介します。

クラウドFAX

クラウドFAXは、インターネットを介してFAXの送受信ができるサービスです。PCやスマートフォンから直接FAXを送受信でき、受信データはクラウド上に保存されるため、紙の管理や保管が不要になります。外出先や自宅からでもFAX対応が可能になるため、テレワークにも適しています。

また、受信データはすぐにメールで通知されるなど、リアルタイム性の高さも特長です。コスト面では、紙やインクといった消耗品が不要になる一方で、サービス利用料が発生します。しかし、物理的な機器の管理が不要になるため、メンテナンスの負担は大幅に軽減されます。

OCR

OCRは、クラウドFAXで受信した注文書を自動的に読み取り、テキストデータに変換する仕組みです。OCR(光学文字認識)の技術を活用することで、FAXで届いた注文書をシステムに直接取り込める形式にデータ化でき、手入力作業を削減して業務の効率化を実現します。

これにより、担当者の入力や照合作業の負担を軽減し、誤入力の防止、処理スピードの大幅な向上、ペーパーレス化の推進にもつながります。

ただし、手書き文字や判読しにくい書体の場合は、最終的な確認や補正が必要となる場合があります。

業務システム

業務システムは、受発注や在庫管理、出荷指示など、企業の各種業務プロセスを一元的に管理・自動化する仕組みです。OCRでデータ化された注文情報を基幹システムと連携させることで、入力作業の手間を削減し、在庫確認や納期回答をスムーズに行えます。

クラウド型の業務システムであれば、社内外どこからでもアクセスでき、リアルタイムで業務の進捗状況を把握することが可能です。

これらを組み合わせることで、FAX受信からデータ入力、システム登録までのプロセスを自動化でき、紙ベースでの処理に比べて大幅な省力化とスピードアップが実現します。

FAXの受発注業務自動化には「まいと~く Cloud」が有効

従来の紙FAXにおける非効率さや情報漏洩リスクを解消し、受発注業務をスムーズに進めたい場合は、クラウドFAXサービス「まいと~く Cloud」をご検討ください。

まいと~く Cloud」を活用すれば、メールのように簡単な操作でFAXを送受信でき、紙を扱う手間や紛失リスクを大幅に軽減できます。

さらに、クラウド上で一元管理できるため、外出先や在宅勤務中でもオフィスにいるのと同じ感覚で業務を遂行できる点もメリットです。また、受信したFAXの自動振り分けやチーム内での共有機能により、担当者間の連携もスムーズになります。

基幹業務システムと連携させれば、受発注データの自動入力や記録が可能となり、入力ミスの削減や作業効率の大幅な改善につながります。

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まとめ

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