コラム

FAXの送り方を機器別に解説! 知っておくべきマナーも紹介

ビジネス上のコミュニケーション手段としてメールやチャットが主流となる一方で、依然としてFAXは取引先とのやりとりに使用されています。とはいえ、FAXは使用する機器の種類によって送信方法が異なるため、戸惑う方も少なくありません。

今回は、FAXがいまだに使用されている理由を踏まえ、機器別にみるFAXの送り方とFAX送付の基本的なマナーについて詳しく解説します。

FAXでの送信がいまだに残っている理由?

メールやチャットなどの手段が発達した現在もなお、ビジネスシーンでFAXが使用されているのはなぜでしょうか。考えられる理由は、主に以下の4つです。

セキュリティが強固であるため

一般的に、電話回線を利用するFAXは、インターネットを経由するメールやチャットと比べて、外部からの不正アクセスによる情報漏洩のリスクが低く、安全性が高いと考えられています。

ただし、FAXにもセキュリティリスクは存在します。FAX番号の確認を怠ると、誤送信によって意図しない相手に情報が届いてしまう恐れもあります。

また、FAX機にデータが残る場合、管理が不十分だと情報漏洩が発生するリスクが高まるでしょう

ITリテラシーや設備がなくても送受信ができるため

従業員の年齢層が高い企業や、ITリテラシーにばらつきがある企業では、ITサービスに抵抗感を抱く方も少なくありません。その点、FAXは書類をセットし、番号を入力するだけで送信できるため、高度なITスキルがなくても問題なく利用できます。

また、既存のFAX付き電話機や複合機を引き続き利用することで、企業としても新たな設備投資を抑えられます。

そのほか、取引先や顧客がFAXの利用を希望している場合、送信側の一存で勝手に変更できず、継続せざるをえないことも、FAX文化が残存する一因です。

送受信が物理的に確認できるため

FAXの利点の1つは、受信時に物理的な用紙の出力があるため、受信側がFAXの到着を即座に確認できることです。特に店舗や工場など、メールやチャットのチェックをすぐに行えない業務環境では、受信ファイルを確認する作業が効率化されます。

さらに、FAXで受信した書類をそのまま掲示板に張り出したり、回覧したり、メモ紙として直接書き込んだりといった用途で使用している場合は、印刷の手間が省けます。

取引先ごとに異なるサービスを使う必要がないため

近年、インターネット回線を用いるWEB-EDIやWEB受発注システムの普及により、企業間においてオンライン上での受発注業務が定着しました。

これらのシステムは業務効率化が期待できる一方で、取引先からすると、企業ごとに異なるシステムを使用しなければならず、担当者の負担が増している場合もあります。

その点、FAXを使用すれば、自社フォーマットの書類を送付するだけで済むため、取引先にシステムの切り替えや使い分けを強いる心配はありません。

また、受注側が業務効率化の流れから、受発注業務を電子化したいと考えていても、発注側の意向を汲まずにシステムの導入を提案することは、取引関係の悪化などビジネス上のリスクを伴います 。

結果として、取引先の商習慣や業務フローが尊重され、FAXによる受発注業務が引き継がれているケースも少なくありません。

FAXの送り方

FAXの送り方は、使用機器によって異なります。次に、FAX付き電話機、複合機、クラウドFAXに分けてそれぞれの送り方を説明します。

FAX付き電話機の場合

FAX付き電話機を使ったFAXの送り方は、以下の通りです。

  1. 電話機の上部にある横長の蓋を開いて、原稿をセットする
  2. 液晶画面やボタンで宛先のFAX番号を入力する
  3. FAXの送信ボタンを押して、通信を開始する
  4. 送信の完了を確認する

なお、原稿は文頭が下向きになるようにセットすることで、送付先に正しい向きで届きます。原稿の表裏については各商品で異なるため、画面の指示や取扱説明書を確認の上、セットしてください。

複合機の場合

複合機は、コピーやスキャナー、FAXなどの複数の機能が搭載された機器です。複合機を使用する場合は、次の手順で送信します。

  1. ADF(自動原稿送り装置)もしくは原稿台ガラスに原稿をセットする
  2. 宛先のFAX番号を入力する
  3. FAXの送信ボタンを押して、通信を開始する
  4. 送信の完了を確認する

原稿をセットする際の向きがADFと原稿台ガラスで違う場合もあることから、原稿のセット方法については取扱説明書で確認が必要です。

クラウドFAXの場合

クラウドFAX とは、インターネット回線を利用してFAXを送受信するサービスです。専用機器を使用した電話や複合機による従来の送り方とは、仕組みや手順に違いがあります。クラウドFAXによる送付の手順は、以下の通りです。

  • 指定の形式の原稿をパソコン上に準備する
  • クラウドFAXのサービスページで、原稿を選択する
  • 宛先のFAX番号を入力する
  • FAXの送信ボタンをクリックし、通信を開始する
  • 送信の完了を確認する
  • クラウドFAXを導入するのであれば、ぜひ「まいと~く Cloud」をご検討ください。

    まいと~く Cloud」は、FAXの送受信に加え、閲覧や共有、保管などのFAX業務を一元管理できるクラウドFAXです。メールソフトのように、WebブラウザーでいつでもFAX送受信が可能です。

    オプションで誤送信防止機能も搭載されており、安全性を確保しつつFAX業務を効率化したい企業様に選ばれています。

    の詳細はこちら

    FAXを送る際に最低限知っておきたい6つのマナー

    FAXの送信には送付先への配慮が欠かせません。続いて、FAXを送る際の基本的なマナーについて解説します。

    1.FAX送付状を付ける

    送付状とは、原稿の前に付ける表書きです。FAXの概要が記された送付状があれば、受信者は送付元や用件などが一目瞭然です。送付状に記載すべき主な内容は以下の通りです

    項目 記載内容
    宛先 会社、部署、役職、担当者名
    送信年月日 FAXを送信する日付
    送信者 会社、部署、役職、担当者名、連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレスなど)
    表題 FAXの概要がわかる件名を記載
    前文 「拝啓」などの頭語、時候の挨拶など
    本文 FAXの送付目的、FAXの概要など
    結語 「敬具」などの結語
    記書き 各書類の表題と部数などを箇条書きで記載
    以上 最後に「以上」と記載

    FAXの送付状は、長文にならないように要点を絞って簡潔にまとめることが重要です。手書きでも構いませんが、読みやすさには十分に配慮し、文字や行間などを調整しましょう。ビジネス文書であることを意識して、丁寧な言葉遣いに努めてください。

    2.ページ番号を記載する

    FAXで複数枚の原稿を送付する場合は、ページ番号を記載しましょう。1/5、2/5などのように番号をふると、受信側も文書の全体像を把握しやすくなります。

    ページ番号がなければ、先方は正しい書類の順序がわかりません。ページが抜け落ちていたとしても、気付けないことも起こり得ます。FAX内容を正しく伝達するためにも必要な配慮といえます。

    3.読みづらい部分は拡大する

    送信側では原稿の画質が鮮明だったとしても、機器の性能によっては、受信側で判読困難になるケースもあります。文字が潰れている、画像がきれいに出力されないなどの場合がその例です。

    FAXの原稿は、可読性を高めることが基本です。例えば、文字サイズは11~12ポイントが目安といわれており、ゴシック体や明朝体などのフォントが多く用いられます。

    そのほか、解像度の設定は原稿の見やすさだけでなく、FAXの送信時間にも影響する要素です。画像をきれいに見せたい書類では200×200dpiが目安といわれています。

    4.機密文書は送らない

    個人情報や機密情報を含む書類のFAX送信は、情報漏洩のリスクがあるため、極力避けましょう。FAXはメールやチャットのように個人宛てに直接送付できません。場合によっては送付先企業の従業員だけでなく、来訪者を含む第三者の目に触れる可能性もあります。

    重要な情報を記載した原稿は、メールや個人宛ての郵便など、より確実性の高い送り方で送付することをお勧めします。

    5.事前に連絡をする

    FAXの送信前に、都合が良いタイミングを確認し、書類の枚数や概要などを伝えておくことで、送付先の担当者はFAX受信の準備を整えられます。

    FAXの送受信中は、電話回線がその通信に占有され、通話や別のFAXの送受信ができません。また、多くの原稿を送信すれば、出力時に紙の枚数やインクを大量に消費します。

    原稿のボリュームにかかわらず、事前に連絡を入れておけば、先方の業務が停滞することを防ぎ、送信後に内容をすぐに確認してもらえる可能性が高まります。

    6.FAX番号を確認する

    FAXの送付前に、宛先のFAX番号の再確認を徹底しましょう。万が一、誤った宛先にFAXを送信した場合、本来送るべきではない企業や個人に文書が届き、重大な情報漏洩につながる恐れがあります。

    まとめ

    電話回線を利用したFAXは、不正アクセスによる情報漏洩のリスクは低いものの、依然として誤送信のリスクが伴います。送信前の確認の徹底や誤送信防止機能を搭載したクラウドFAXの利用などにより、十分な対策が必要です。

    取引先と良好な関係を保つためにも、今回紹介したマナーを守り、相手に配慮したFAXの活用を心がけましょう。

    ▲