【テンプレート・例文あり】FAX送付状の書き方や注意点

送付状は、FAXに添える「案内文」のようなもので、送信内容の概要や送信者の情報を明記します。受け取った側が「誰から」「何の目的で」「どのくらいの情報が届いたのか」をすぐに把握するための重要な役割を果たします。しかし、送付状の書き方に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今回は、FAX送付状の基本的な書き方から、実際に使えるテンプレートや挨拶文の例文、送信時の注意点までをわかりやすく解説します。
【基本項目】FAX送付状の書き方

適切な送付状を作成することは、ビジネスマナーの基本です。ここでは、FAX送付状に記載する基本項目と書き方について、わかりやすく解説します。
送信日付
送信日付は、送付状の最上部に記載します。これは受信者がいつFAXを受け取ったのか、あるいは送られたのかを確認するための情報です。FAXがしっかり届いたとしても、リアルタイムで相手がすぐに確認するとは限りません。
記録として残すためにも、送信日を明記しておくことは基本マナーです。日付の表記は和暦でも西暦でも構いませんが、社内ルールや相手先の慣習に合わせると良いでしょう。例えば「令和7年4月25日」や「2025年4月25日」のように記載します。フォーマットを統一しておくことで、書類としての信頼性も高まります。
宛先
FAX送付状の宛先には、相手の会社名、部署名、担当者名を正式名称で記載します。例えば「株式会社〇〇 営業部 田中太郎様」といった具合です。誤字や略称は失礼にあたるため、正確に記載しましょう。
また、宛名の敬称は、会社や部署に宛てる場合は「御中」、個人名を記載する場合は「様」を使用します。両方を併記する場合には「株式会社〇〇 営業部 田中様」とします。
差出人情報
差出人情報は、誰がFAXを送ったのかを明確にするための必須項目です。会社名、部署名、氏名に加え、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレスなどの連絡先をしっかり記載しましょう。万が一、送付した書類に不備があった場合でも、受信者がすぐに連絡できるようにしておきましょう。
特に営業活動や契約書の送付など、重要なやりとりの場合には、差出人情報が信頼性の裏付けになります。
枚数
FAX送付状では、全体のページ数を記載します。これは、すべてのページがきちんと届いているかどうかを確認するための情報です。特に複数ページにわたる資料や契約書などを送る際には、相手がページ抜けに気づけるよう「全〇枚中の〇枚目」といった表記をすると良いでしょう。
例としては、「全5枚中1枚目(送付状含む)」と記載すれば、送信ミスや通信エラーがあった際にすぐに対応が可能です。
表題・挨拶文・本文
送付状には、まず表題(件名)として「見積書送付の件」や「資料ご送付の件」など、FAXの目的を簡潔に記します。その下に、挨拶文として「拝啓」「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などの定型的な頭語+挨拶を用いましょう。
本文では、送付する書類の内容を簡単に記載し、「下記の通り書類をお送りしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします」といった締めの言葉で丁寧に終えるのがマナーです。長くなりすぎず、必要な情報を分かりやすく伝えることが重要です。ビジネス文書としての格式を意識して、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
「記」書き
FAX送付状の本文の後に「記」と書いて、送付内容を箇条書きで分かりやすくまとめましょう。例えば「・見積書 1部 ・商品パンフレット 1部」のように、送付する書類の名称や部数を明記します。
「記」書きによって、受信者が受け取った内容を一目で確認でき、送付ミスにもすぐに気づけるようになります。箇条書きの最後には「以上」と記載して、文書の終わりを明確にしましょう。
【テンプレート・例文】FAX送付状の書き方

ここでは、実際に使えるFAX送付状のテンプレートと、挨拶・本文の例文を紹介します。必要に応じて自社用にカスタマイズし、ご活用ください。
FAX送付状のテンプレート
令和〇年〇月〇日(20XX年XX月XX日)
FAX送付状
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
株式会社△△ □□部 山田太郎
〒123-4567 東京都〇〇区〇〇1-2-3
電 話:□□-□□□□-□□□□
FAX :○○-〇○○〇-〇〇〇〇
E-mail:△△△@□□□□
件名:見積書ご送付の件
枚数:全3枚(本紙含む)
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
早速ではございますが、下記の書類をFAXにてお送りいたします。
ご査収のほどよろしくお願いいたします。
敬具
記
・見積書 1部
・商品カタログ 1部
以上
FAX送付状の挨拶・本文の例文
ここでは、実際に使えるFAX送付状の挨拶文と本文の例文を3つ紹介します。書き出しや結びの表現を工夫することで、丁寧さやビジネス上の信頼感が伝わります。目的に応じて使い分けてみてください。
例文1:見積書を送る場合
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、先日ご依頼いただきました〇〇の件につきまして、見積書をお送りいたします。内容をご確認のうえ、ご不明な点がございましたらご遠慮なくお知らせくださいませ。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
例文2:契約書の返送に添える場合
さて、下記の通り契約書をFAXにてお送りいたします。
ご確認いただき、内容に相違等がございましたらご連絡くださいませ。
何卒よろしくお願いいたします。
敬具
例文3:資料送付のお知らせをする場合
平素より格別のお引き立てをいただき、心より感謝申し上げます。
本日は、貴社よりご要望いただきました商品資料をFAXにて送付させていただきます。
ご査収のほど、よろしくお願いいたします。
敬具
FAX送付時の注意点

ここでは、FAXを送る際の注意点について解説します。
送付状を1枚目にする
FAXを送る際には、送付状を1枚目に添付するのが基本です。送付状には送信者の情報、送信日、送信内容の概要、ページ数などが記載されているため、受信者が最初に目を通すことで「誰から」「何が」「何枚届いているのか」をすぐに把握できます。ゆえに、重要な書類の見落としや混乱を防ぐことができ、やり取りが円滑になります。
送付状がないと、受信者が内容を誤解したり、確認のために連絡が必要になったりと、手間や混乱の原因にもなりかねません。また、送付状に明記された情報があることで、万が一FAXの一部が抜け落ちた際に気が付くことができるため、トラブルの回避にもつながります。
FAX番号を間違えないよう注意する
FAXを送信する際に注意したいのが、「FAX番号の入力ミス」です。番号を一桁でも間違えると、無関係な第三者に書類が届いてしまう恐れがあります。その結果、機密情報の漏洩や信用の失墜といった重大なトラブルに発展する可能性もあります。
FAXは送信先の番号が画面に表示されないことも多く、相手に正しく届いたかを確認するのが容易ではありません。そのため、送信前にはFAX番号を必ずダブルチェックする習慣を身につけましょう。
また、事前にFAX送信リストやアドレス帳を作成しておくことで、番号の入力ミスを防ぎやすくなります。
特に、新規の取引先や重要書類を送る際には、電話で先方に確認を取ってから送信するなど、より慎重な対応が求められます。
機密情報は送らない
FAXは、PCが1人1台ない環境でも連絡ができる、ダウンロードやファイルを開く手間がかからないなど、メールやチャットが主流の現在でも使われる理由があります。しかし、その分セキュリティ面では注意が必要です。FAX機はオフィスの共用スペースなどに設置されていることが多く、自社が送信した内容を第三者が簡単に確認できてしまいます。
そのため、個人情報や社外秘の資料など、機密性の高い情報をFAXで送るのは避けましょう。どうしても送る必要がある場合は、事前に受信者と連絡を取り、受信確認のタイミングや管理体制を確認するなどの工夫が求められます。
より安全にやり取りをするには、クラウドストレージを使ってファイル共有する、または書留郵便を利用するといった方法が適しています。
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まとめ
FAX送付状は、送信先に対してビジネスマナーを示す大切な書類です。送信日、宛先、差出人情報、ページ数、そして送付目的を正確に伝えることで、受信者の理解を助け、信頼性のあるコミュニケーションが実現します。また、FAX番号の確認や機密情報の送信可否など、安全面にも十分配慮しましょう。