コラム

FAX番号を変えたくない! クラウドFAXを利用する方法や選び方も解説

FAX業務効率化のためにクラウドFAXへの移行を考えているものの、FAX番号の変更がネックになっていませんか。FAX番号の変更は顧客や取引先も絡んでくることから、様々な問題が生じる可能性があります。

今回は、FAX番号が変更になる影響やFAX番号を変えずにクラウドFAXに移行する方法について紹介します。

そもそもクラウドFAXとは

クラウドFAXとは、インターネット上でFAXの送受信ができるサービスの総称です。FAX機や電話回線は不要で、PCを使って手軽にFAXのやり取りができます。

従来のFAXとの違いは、クラウド上にデータが保存される点です。そのため、印刷コストを削減できるほか、紙で管理する手間を軽減できます。

さらに、FAX番号を複数人で共有できるため、データの共有が容易になります。

インターネット環境が整っていれば、自宅やオフィス以外の場所からも利用でき、リモートワークにも対応可能です。

FAX番号が変わることによる影響

クラウドFAXへの移行でFAX番号が変更になることがあります。FAX番号の変更による主な影響を紹介します。

顧客や取引先へFAX番号変更通知が必要になる

FAX番号が変更になる場合、取引先や顧客に対して事前通知が必要です。特に、FAXでのやり取りが多い相手に対してはできるだけ早めに通知して、スムーズに移行できるようにしておかなくてはなりません。

しかし、FAX番号の変更通知は、顧客や取引先が多いほど手間がかかります。また、通知してもすぐに相手側で認識してもらえないこともあるため、移行期間中の転送などの対策も必要です。

名刺、封筒、ホームページなどの修正が必要になる

FAX番号を変更すると、ホームページなど、FAX番号の記載があるあらゆる媒体の修正が必要です。

名刺やパンフレットなどの印刷物の修正にはコストがかかります。番号変更にあたり、どこにどのくらいの費用がかかりそうか予算を組み、計画的な修正の実行が重要です。

修正漏れや修正遅れが発生すると、機会損失が生じるだけでなく、企業の信頼性が低下するおそれもあります。

システムの再設定が必要になる

FAX番号の変更は、社内で使用しているシステムにも影響が生じる可能性があります。利用するクラウドFAXによっては複合機などの再設定を要する場合もあるためです。PCに接続されている場合は、PC側の設定を変更しなければならないケースもあります。

既存システムの再設定の有無は利用するサービスで異なるため、ベンダーからサポートを受けつつ丁寧に処理する必要があります。

取引先からの送信間違いやミスが増える

FAX番号の変更を通知しても、取引先においてすべて変更が処理されているとは限りません。取引先が古いFAX番号を誤って使用することで、送信ミスが起こり、FAXが正常に届かなくなる可能性があります。

また、新しい番号として「050」から始まる番号を取得する場合も注意が必要です。「050」の番号は送信エラーでFAXが届かないと報告されることもあるためです。

そもそも「050」から始まる番号は認知度が低く、会社の実在性を疑われる場合があることから、ビジネス利用には不向きです。FAX番号を新たに取得する場合は、「050」を避けて、市外局番で取得することをお勧めします。

FAX番号を変えずにクラウドFAXに移行する方法

FAX番号の変更はコストがかかるなど、会社にとって様々な影響を与えます。すでに利用しているFAX番号をそのまま利用できるほうがコストや手間などの面で良いでしょう。

クラウドFAXに移行する場合、FAX番号の変更を必要としない方法が2つあります。概要や具体的なサービス名を紹介します。

転送サービスを利用する

今までのFAX番号を利用できる方法のひとつに、転送サービスの利用があります。従来のFAX番号で受信したものを、あらかじめ設定した別のFAX番号宛てに転送するサービスです。

相手側が既存のFAX番号宛てに送信し、転送先のFAX番号にデータが送られることで、新しいFAX番号にFAXが届く仕組みです。

受信のみの場合、相手側に新しいFAX番号を知らせる手間がかかりません。ただし、番号の変更が不要なのは受信時のみです。

送信時には、新たに取得したFAX番号を利用します。また、転送に伴って利用料金が発生する点も考慮する必要があります。

主な転送サービスは以下の通りです。

  • ボイスワープ(NTT東日本、NTT西日本)
  • 着信転送サービス(KDDI)
  • おとくライン(ソフトバンク)

ナンバーポータビリティ(番号移転)を使う

クラウドFAX申し込みの際に、ナンバーポータビリティ(番号移転 )を利用する方法もあります。電話番号やFAX番号は現状のまま、事業者のみを変更する制度です。

ただし、ナンバーポータビリティを利用できるFAX番号には条件があります。「050」番号は基本的に利用できません。また、対応しているクラウドFAXは限られます。

さらに、受信時にはそのままの番号が利用できるものの、送信時には新たなFAX番号が使用されます。利用料金がかかるため、毎月のコストに加算される点にも注意が必要です。

ナンバーポータビリティを提供している主な回線事業者は以下の通りです。

  • NTT東日本
  • NTT西日本
  • KDDI
  • ソフトバンク

ナンバーポータビリティが可能な条件は?

ナンバーポータビリティの利用は、対応しているクラウドFAXでの契約が条件です。また、現在使用しているFAX番号がNTTやソフトバンクなどで双方向性番号ポータビリティに対応している必要があります。

さらに、対応している電話番号は限られています。具体的に、以下に取り上げる番号以外はサポートの対象外です。

【ナンバーポータビリティ対応の電話番号】
・フリーダイヤル(0120、0800)
・北海道(011)、宮城県(022)
・埼玉県(04,042,048,049)、千葉県(04,043,047,0476)
・東京都(03,04,042,0422,0428,044)
・神奈川県(042,044,045,046,0463,0466,0467)
・山梨県(0428)、愛知県(052,0561,0566,0568,0586)、岐阜県(0586)
・京都府(075)、大阪府(06,072,0725)
・兵庫県(06,072,078,079,0797,0798)、広島県(082)、福岡県(092,093)

FAX番号以外で自社に合ったクラウドFAXを選ぶ際のポイント

ここでは、番号移転以外で自社に合ったクラウドFAXを選定する際のポイントを5つ紹介します。

料金体系

クラウドFAXでは、月額固定料金、送信・受信の従量料金、初期費用が発生するのが一般的です。それぞれの費用を総合的に比較して検討しましょう。

自社のFAXの利用量を確認して、費用対効果が得られるサービスを選択するのがポイントです。

機能

クラウドFAXは送受信以外にも、様々な機能が搭載されています。コストとの兼ね合いも考えつつ、利用目的に適合するものを選択しましょう。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • PCやスマートフォンへのメール通知機能
  • 送信結果の確認機能
  • 履歴管理機能
  • 海外FAXの送受信機能
など

対応デバイスや連携機能

対応デバイスの範囲が広いとFAXの使い勝手が良くなります。PC、スマートフォン、タブレットなどで利用できるか確認しておきましょう。

また、API連携機能が備わっていれば、基幹システムとの連携も容易です。システムからFAXの確認や送信などを指示できるため、効率良くFAXを利用できるようになります。

セキュリティ機能

FAXの送受信では、自社や相手先の重要な情報をやり取りします。情報漏洩などが起こらないように、暗号化やパスワード保護などのセキュリティ面もチェックしておきましょう。

サポート、無料トライアルの有無

不明点やトラブルが生じた際に、迅速に対応できるサポート体制が整っていると安心です。選定時にサポート体制の充実度を確認しておきましょう。

また、サービスの品質を確認するために、無料トライアルを利用することをお勧めします。無料トライアルを通じて、実際の操作感や機能の使い勝手を把握することで、契約前に自社のニーズに合ったサービスかどうかを確認できます。

FAX番号を変えずにクラウドFAXを利用するなら「まいと~く Cloud」

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閲覧、振り分け、共有のすべてをクラウド上で行えるため、自宅や外出先でもFAX業務を行えます。

また、基幹業務システムとの連携も可能なため、FAX業務の効率化にも役立ちます。

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まとめ

クラウドFAXへの移行時にFAX番号を変更すると、顧客・取引先への通知、名刺やホームページの修正、システム再設定などの手間とコストが発生します。FAX番号を変えずに移行する方法として、転送サービスの利用やナンバーポータビリティ(番号移転)があり、どちらも受信時は既存番号をそのまま使用できます。

また、クラウドFAX選定時は、料金体系、送受信機能、対応デバイス、セキュリティ、サポート体制を総合的に検討することも重要です。FAX業務の効率化とコスト削減を実現するため、自社の利用状況に最適なクラウドFAXを選択していきましょう。

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