《株式会社加藤美蜂園本舗様》
操作性に優れた「Biware」の管理画面が支えとなり、受注業務における取引先ニーズへの対応力が向上しました。
業界シェアNo.1の「サクラ印ハチミツ」を始め、蜂蜜、オリゴ糖、メープルといった甘味料を中心とする食品の製造・販売を手掛ける株式会社加藤美蜂園本舗様。70年以上の歴史を誇り、正に国内蜂蜜メーカーのパイオニア企業として、世界中から集めた様々な種類の蜂蜜を提供されています。
自前の販売管理システムの入れ替えに伴い、データマッピングの設定変更などEDIにまつわるお客様からのご要望に対し、柔軟に対応できるEDI環境を実現するべく「Biware EDI Station」をご採用いただきました。当時ご導入いただいた際の経緯や決め手などについて、販売管理・物流システム担当の野口様にお話を伺いました。
販売管理システムの入れ替えを機に、
柔軟に設定変更できるEDIシステムの導入を検討
まずはEDIシステムの入れ替えをご検討されたきっかけについて教えてください。
自前の販売管理システムを利用していた当時、EDIの機能はその販売管理システムの中に組み込まれており、柔軟に設定を変更して利用できる形にはなっていませんでした。しかしながら実際には、取引先より状況に応じた柔軟なEDI対応を求められるケースがありました。
例えば、当社から卸した製品が1次店→2次店と複数の商社/卸売を経由する商流の場合、当時の販売管理システムでは1取引ファイルの中で1次店から3次店までの情報しか追加できないようになっていました。通常はこれで問題ないのですが、時には取引先より4次店の取引先情報も追加してほしいとのご要望をいただくケースがあります。その際は常にお応えできずにいました。
そんな中、当時の販売管理システムの老朽化に伴ってシステムの入れ替えを行うことになりました。その際、EDIの機能についても取引先の要望に応じて柔軟に設定変更ができるよう、独立した専用システムとして実現することを決め、導入の検討を始めました。
数あるEDI製品の中から、「Biware」をご選定いただいた経緯について教えてください。
「Biwareシリーズ」については、Webサイトを通じて以前から認識していましたので、新しいEDIシステムを導入するにあたり、導入候補の1つとしてあらかじめ想起していました。その上で、当時新しい販売管理システムを導入いただいたシステムベンダーから「Biware」製品をご提案いただいたこともあり、導入に向けて前向きに検討を進めようという気持ちになりました。
他の製品についてもカタログやWebサイトでの比較は行いましたが、結局「Biware」製品に対して信頼感を抱いていましたので、導入を前提とした「Biware」の評価を進め、そのまま正式な導入に至りました。
「Biware EDI Station」をご採用いただいたポイントについて、詳しくお聞かせください。
「Biware」製品を採用した主なポイントは次の2点です。2012年に初めて「Biware」を導入した際は、まだ「Biware EDI Station」の前身にあたる製品でした。その後「Biware EDI Station」がリリースされ、2016年に「Biware EDI Station」へ移行しました。「Biware EDI Station」へ移行する際は下記のポイントが継承されていることに加え、今後予定している流通BMSへの対応に向けて関連機能が充実している点が採用のポイントとなりました。
- 導入の決め手
-
-
操作画面がわかりやすい点
データ変換定義(データマッピング)画面を始め、「Biware EDI Station」の操作画面は他のEDI製品と比べて非常にわかりやすいと感じた。情報システム専任者でなくても直感的に操作できる画面のため、複数名の業務担当者が操作手順をマスターする上で負担が少ないと感じた。
-
取引に応じたデータマッピングを簡単かつ柔軟に行える点
販売管理システムに組み込まれていた以前のEDI機能の場合、データマッピングの設定を変更するには、システムのカスタマイズが必要となり負担が大きかった。「Biware EDI Station」では、簡単かつ柔軟にこのような設定変更が可能であり、取引先のご要望に対して以前よりも無理なく応じられるようになった。
例えば、同じ取引先でも取引ファイルに応じて「1次店の情報のみ追加したい」、「1次店と最終納品先の情報のみ追加したい」、「商流に関わるすべての卸売店情報を追加したい」などご要望はまちまちとなる。このため「Biware EDI Station」が備えるGUIベースのデータマッピング画面から直感的に設定できる点は魅力的であった。
-
稼働系/待機系の構成による、
合計2回線のEDIシステム環境を構築
導入状況について教えてください。
「Biware EDI Station」によるEDIシステムは、東京本社に稼働系、関西支店に待機系の環境を構築して運用しています。商社/卸売といった取引先とは、1社を除き、原則FINET(業界VAN)を通じて全銀TCP/IP手順で取引を行っています。EDIで取引している業務は“受注データ”の受信、“出荷案内データ”の送信の2種類です。“受注データ”については、毎日正午を締め切りとさせていただき、その後30分程度で一斉に受信を行います。一方“出荷案内データ”については、週に3日ほど夕方に送信を行うとともに、社内の出荷部門を通じて発送の準備を進めます。
現状、会社全体の売上の約半分の受注処理を東京本社が担っています。東京本社では、FAXやWeb-EDIによる取引も含めて計7名の受注担当者が受注処理に対応しています。また各支店では、2名程度の受注担当者が同様に対応しています。
- 株式会社加藤美蜂園本舗様 EDIシステム概要図
-
2016年10月に「Biware EDI Station 2 Standard(全銀/JCA)」を購入。日々の運用は東京本社の環境で行い、関西支店にはコールドスタンバイ方式による冗長環境を構成している。取引は通信手順によるEDIのほかに、Web-EDIやFAXといった人手による取引も併用して行っている。“受注データ”の受信はFAXで受けるケースが多いものの、それに対する“出荷案内データ”の送信は、原則「Biware EDI Station」上からEDIで送る形を取っている。なお、クリスマスやお正月商戦を控えた12月は、受注担当者が特に業務対応に追われる最大の繁忙期となる。
その他、数か月後にはJX手順による取引開始を予定しており、現在準備を進めている。インターネットEDIへの移行に伴い、現行の全銀TCP/IP手順は今後順次JX手順に切り替わる予定だ。
わかりやすい管理画面により、
会社全体として取引先ニーズへの対応力が向上
導入効果についてお聞かせください。
“導入の決め手”でも触れましたが、管理画面がわかりやすい点は大きな導入効果につながっていると感じています。実際、複数名の業務担当者それぞれが操作手順を容易にマスターできました。これにより、取引先からのイレギュラーな取引依頼に対して、会社全体としての対応力が向上したと思っています。例えば、月末の帳簿を閉めるタイミングで取引漏れが発覚し、取引先より急遽取引を求められるケースがあります。このようなイレギュラーな取引に対しても、以前と比べて柔軟に応じられるようになりました。
管理画面のわかりやすさという点では、リアルタイムに送受信の処理状況を確認できる点も以前のEDI機能には無かった要素でありたいへん重宝しています。[未送信]の状態から[送信中]、さらには[送信済み]あるいは[送信失敗]と順次ステータス欄のイメージが切り替わるため、送受信の状況が即座に把握できます。特に[送信失敗]の際はステータス欄が赤く表示されますので、「送受信ファイル状況」の画面さえ確認していれば、すぐに失敗に気づき、対応を図ることができます。
その他、EDIを含む社内システムに関して、今後の方針や改善ポイントがありましたらお聞かせください。
EDIに限らず、メールを含む様々な通信取引を一元管理できる安価な仕組みがあれば導入したいと考えています。例えばメールによる取引は、システム上で一元管理ができていない場合、個々の受注担当者が即座に対応できずにそのまま受信メールを見落とすリスクがあります。そのため現状では、メールのみでの取引を行っていません。ただ、取引先よりメールでの取引を求められるケースが無いわけではありません。一元化できる仕組みがあれば取引における対応の柔軟性がさらに広がると考えています。また流通BMS(JX手順)への対応について、今後取引先から本格的に求められるケースが増えてくると思いますので、順次対応を進めていく予定です。