導入事例

《エステー株式会社様》
AS2通信と既存システムとの連携をそのまま継承し、安定稼働のEDI運用基盤を構築

日用品製造業
AS2
Biware EDI Station

エステー株式会社様は、主に消臭芳香剤や防虫剤などの日用品の製造、販売を手掛けています。
人々のこころが安らぐ健やかな生活を実現する製品やサービスを提供し、笑顔のある豊かな人生を過ごすことへの貢献を目指しています。
具体的には、家庭用製品として、消臭芳香剤の「消臭力」、防虫剤の「ムシューダ」、除湿剤の「ドライペット」などといった、暮らしを快適にするブランドを展開し、お客様の生活空間に笑顔と安心を提供されています。
受発注業務のために導入いただいた「Biware EDI Station 2」について、経営統括本部 データ戦略部 部長の平山様、多々納様にお話を伺いました。

導入の経緯

長年利用した通信ソフトのサポート終了を機に
リプレイスを検討

「Biware EDI Station」の導入の背景を教えてください。

経営統括本部 データ戦略部 部長 平山様(右)、多々納様(左)

長年使用していたデータ通信ソフトが、必要なセキュリティ方式に対応しておらず、サポートも終了を迎えることが導入の背景でした。運用自体に大きな問題はありませんでしたが、セキュリティ要件を満たせなくなることは取引継続やシステム信頼性に関わる重大なリスクでした。
そこで、将来の仕様変更にも柔軟に対応でき、安心して利用できる新たなEDI基盤として「Biware EDI Station」を検討・導入しました。

「Biware EDI Station」の用途や、どのようなシステム連携に活用されているか教えてください。

「Biware EDI Station」は、日用品業界VAN、小売・卸とのEDI取引、銀行とのファームバンキング、物流業者とのデータ連携まで幅広く活用しています。基幹システムが出力したデータをサーバーに配置し、APIコマンドで送信処理を実行します。受信データもバッチ処理で振り分け・後続処理を自動化しています。また、ジョブフロー機能を活用し業務に適したフローを構築することで、安定したデータ連携基盤を実現しています。

「Biware EDI Station」を選定したポイントについて教えてください。

エントランスの製品展示コーナー

ポイント1:EDI通信プロトコル(AS2)に対応している点

当社では、EDI接続の中心にクラウド型のEDI仲介サービスを利用しており、社内システムとの通信プロトコルはAS2で統一しています。そのため、AS2が利用できることが必須条件でした。

ポイント2:セキュリティ基準を満たしていること

必要なセキュリティ方式をサポートしていることは、今後の安全な運用に不可欠な条件でした。

ポイント3:既存の運用をそのまま引き継げた

基幹システムとの連携部分は自社開発しているため、EDIツールを変更すると、その連携部分を作り直す必要が生じます。しかし「Biware EDI Station」は、現行の運用や設定方法をほとんど変えることなく移行でき、既存の連携をそのまま活かせた点を高く評価しています。一度の切り替えでスムーズに運用を開始できたことも、選定理由の大きなポイントとなりました。

ポイント4:ジョブフロー機能が使えること

従来のデータ通信ソフトはコマンド実行のみで、細かい処理を柔軟に設定することができませんでした。「Biware EDI Station」はジョブフローを画面上で組めるため、送受信処理の流れをわかりやすく定義できる点が良いと感じました。

ポイント5:買い切りライセンスのコストの優位性

他社製品はクラウド型のサブスクリプションが中心で、月額費用が高く、長期的なランニングコストが大きくなる点が懸念されました。一方、「Biware EDI Station」は買い切りライセンスと保守費用のみで運用できるため、費用面で大きな優位性がありました。

導入の状況

安定稼働を支える運用体制と仕組み

「Biware EDI Station」の導入状況について教えてください。

「Biware EDI Station」はデータ戦略部のシステム開発チームが運用しています。当部署では基幹システムをはじめとする社内システムの管理・運用、データ分析、業務改善支援などを担当しています。EDIは仲介サービスを中心に運用しており、日用品業界のVAN、得意先、物流業者、金融機関とのデータ連携を効率的に行っています。システムはデータセンター内で冗長構成を組んでおり、自動切替やバックアップ復旧が可能な体制を整備しています。現在も安定稼働を継続しており、今後もこの運用環境を維持することが重要だと考えています。

エステー株式会社様 EDIシステム概要図
運用と効果

安定稼働の継続と移行負荷の大幅軽減を実現

「Biware EDI Station」の運用方法と効果についてお聞かせください。

主にジョブフロー機能と通信ログ機能を活用しています。特に迷う点もなく、必要な処理を問題なく構築できています。通信ログ機能は、通常運用では頻繁に確認することはありませんが、エラー発生時の状況確認やログ出力で活用しています。
これまで大きな通信エラーはなく、まれにファイルのダウンロードに失敗した際も、管理画面から再ダウンロードして後続処理を実行するだけで問題なく復旧できました。日常運用でのトラブルはほとんどなく、エラー対応も含めて安定して利用できており、安定したデータ通信を維持できている点が大きな効果だと感じています。
受発注データの通信は製造業における重要業務の一つですが、日々100~200件ほど発生する通信が途切れることなく処理され、業務の安定性が確保されています。

「Biware EDI Station」の導入はスムーズにできましたか?

導入時の設定作業は、マニュアルが充実していたこともあり、スムーズに進めることができました。通信設定や業務設定の手順が具体例と共に整理されていたため、多くの作業をマニュアルのみで完結でき、サポートへの問い合わせも最小限に抑えられました。サポートへの問い合わせに対しても迅速かつ的確な回答を得られ、安心して導入を進めることができました。
また、既存システムで使用していた設定を自動変換でそのまま移行できたことで、手戻りが発生せず、短期間で新環境へ切り替えられた点も大きなメリットでした。
旧システムからの移行では、既存設定をほぼそのまま引き継げたため、移行作業の負担を大幅に削減できました。新しい仕組みに切り替えた後もトラブルはなく、従来よりも安定した運用が実現できています。以前は、自社で通信先設定をすべて管理していたためトラブルが発生することもありましたが、現在は問題なく稼働できている点もメリットです。
導入時には、取引先との大きな調整は必要なく、1社に協力いただいた通信テストで問題がないことを確認した後、そのまま一括切り替えを実施しました。

今後のEDIの運用方針などありましたらお聞かせください。

現在はEDI仲介サービスを経由した取引が中心ですが、コスト面の観点から、将来的には直接取引の拡大も検討しています。EDI仲介サービスは利便性が高い一方で、接続先の追加や設定変更に費用が発生するため、取引先が増えるほどコストが増加する課題があります。今後は、取引先の状況や運用負荷を踏まえながら、必要に応じて自社管理に切り替える選択肢も視野に入れています。

掲載している情報は、取材日時点のものになります。
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