《トモヱ乳業株式会社様》
取引先の追加に伴う作業工数を従来の10分の1に削減。新たな取引先の追加にも容易に対応でき、流通BMSへの移行作業がスムーズです。
関東甲信越地方を中心として牛乳・乳製品の製造・販売を行うトモヱ乳業株式会社様。食品流通業の中でも、乳製品などのチルド製品は特に鮮度が命であり、受注日当日または翌日の納品が原則となります。そのためEDIの取引量も多く、システムの自動化や可用性の高さが求められます。
ちょうど1年半前にレガシーEDIから流通BMSへの移行に伴って「Biware らくらく受注Pro」をご導入、さらには半年ほど前に既存のレガシーEDIシステムの入れ替えに伴い「Biware EDI Station」をご導入いただきました。今回、当時ご導入いただいた際の経緯や決め手などについて、トモヱ乳業株式会社 総務部の廣木様、さらにはシステムの選定・導入に携わった大興電子通信株式会社 北関東支店の藤澤様、関様にお話を伺いました。
新規取引の都度、手組み開発で対応するのは
作業負担の面で現実的でなかった。
まずは、流通BMS対応製品の導入をご検討されたきっかけについて教えてください。
流通BMSによる取引はリリース初期の2007年より開始しました。当初は通信ミドルウェアのみを購入して、その他はすべて手組み開発で対応していました。取引先の流通BMSデータの仕様調査や社内の基幹システムとの連携に伴う技術調査など、開発の前の調査工程に膨大な時間がかかりました。そのため今後流通BMSによる取引が増えるにあたって、その都度手組み開発で対応していくのは当社にとって現実的ではないと感じていました。
そこで、新たに流通BMSでの取引を開始するにあたって市販のパッケージソフトの導入を検討することにしました。
それでは、レガシーEDI対応製品のご検討のきっかけについてはいかがでしょうか。
もともとレガシーEDIのシステムについては、他のパッケージソフトを利用していました。ただ、EDIサーバーをリプレイスするタイミングで既存のパッケージソフトも見直すことにしました。これが最初のきっかけです。
その後、EDI製品の選定はどのように進められたのですか。
まず流通BMS対応製品については、ホームページを通じてインターコムの製品を知り、展示会などにも足を運んでいろいろとご説明をいただきました。当時販売されていたのは「Biware らくらく受注 Pro」の前身にあたる製品だったのですが、ご説明の中で既に新製品の開発が進んでいることを伺いました。その中で当社が希望していた機能についても前向きにご対応いただけることになり、「Biware らくらく受注 Pro」が新発売となった際に即導入を決めました。
レガシーEDI対応製品については、既に導入済みであった「Biware らくらく受注 Pro」に倣って、レガシーEDIも「Biware EDI Station」を導入してインターコムの製品で揃えるか、あるいは既存のEDIパッケージをバージョンアップするかのどちらかで比較検討しました。結局、使いやすさの面などから「Biware EDI Station」を導入することにしました。
「Biware」2製品の導入の決め手はどのあたりにありましたか。詳しくお聞かせください。
最終的に「Biware」 2製品を採用した主なポイントは次の5点です。「Biware らくらく受注 Pro」については、取引量の多いチルド業界での利用に適した製品に仕上がっている点、「Biware EDI Station」については、EDIの取引ジョブを構築・更新する上での利便性に優れている点が導入の決め手になりました。
- 「Biware らくらく受注 Pro」導入の決め手
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複数の取引先との業務を一元管理できる点
「Biware らくらく受注 Pro」では、新たな取引先の追加に対して該当するオプションの得意先アダプターをアドオンすることで簡単かつ自在に対応できる。すべての取引先との業務を一つの製品で一元管理できる仕様になっており、この点は同種の他製品と比べて使いやすいと感じた。
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取引量の多い業界での利用にも配慮された仕様になっている点
例えば、取引先側で商品マスタデータの更新をうっかり忘れたまま旧商品の発注データを送信してきた場合、キャンセルのための出荷訂正データを送り返す必要がある。取引量が多いと1伝票ごとの対応では大きな手間となってしまうが、「Biware らくらく受注 Pro」の場合、伝票単位のみならず商品単位・明細単位での対応が可能となっており、取引量に左右されず柔軟に活用できる。
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- 「Biware EDI Station」導入の決め手
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取引先ごとのジョブ設定に対し、構築したワークフローを共用できるなど柔軟性が高い点
「Biware EDI Station」では、ジョブの設定とワークフローの設定が個別の管理となっており、取引先ごとに作成したジョブ設定に対して共通のワークフローを適用できる。万が一ワークフローの設定に誤りがあっても1つのワークフローのみを修正すれば良いため、処理設定の更新が容易である。この点は既存のEDIパッケージと比べて柔軟性が高い。
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各機能の管理画面が統一されていてわかりやすい点
既存のEDIパッケージでは、機能(通信、運用管理など)ごとに個別の管理画面が起動し操作性も異なるなど製品として一貫性がなかった。その点、「Biware EDI Station」では1つの製品として管理画面が統一されており、わかりやすいと感じた。
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サポート対応が親切かつ丁寧である点
大興電子通信株式会社様の方で、過去に「Biware」製品を別のお客様に納めた経験があるが、その際、インターコムのサポートスタッフが親身になって相談に応じてくれたという印象がある。既存のEDIパッケージのサポート体制と比べてアドバンテージが高いと感じた。
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FTサーバーに導入し、システムの可用性を実現。
ハードウェアの二重化で通信回線の可用性も実現。
「Biware シリーズ」の導入状況について教えてください。
流通BMS用のインターネット環境に加え、レガシーEDI用に公衆回線・ISDN回線を併せて7回線用意し運用しています。可用性の確保については、まず本社のFTサーバー上に「Biware らくらく受注 Pro」および「Biware EDI Station」を導入し、EDIシステムの可用性を実現しています。さらにレガシーEDIについては、仮想シリアルポートを提供するシリアルデバイスユニットを2台設置し、それぞれ同様のTA(ターミナル アダプター)およびモデムを接続することで通信回線の可用性を実現しています。
EDIの接続先は毎日120社程度で、主に11時から14時の間に取引が集中します。受注担当者は計12名おり、常時8~9名体制で対応に当たっています。データ受信以降のEDI処理については概ね自動化し、極力人手を介さない形にしています。ただ全取引先の数パーセント程度ではありますが、FAXや電話による取引も行っており、特にピーク時は各担当者が対応に追われています。
- トモヱ乳業株式会社様 EDIシステム概要図
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流通BMSについては、2013年8月に「Biware らくらく受注Pro Advance」を導入。その後も取引先ごとに流通BMSへの移行に応じて得意先アダプターを購入し、現在のところ接続先は7社を数える。一方レガシーEDIについては、2014年6月に「Biware EDI Station Professional」を導入して旧システムとの併用を開始。徐々に新システムへの移行を進めており、現在のところ10社程度の移行が完了している。
レガシーEDIについては、これまで築いてきた基幹システム(オフコン)内のデータ変換機能で大半の処理は賄えるため、「Biware EDI Station」の変換機能は特殊な用途に限って活用している。一方流通BMSについては、取引先(小売)独自のデータ仕様に対応するために得意先アダプターを活用し変換処理を行っている。
流通BMSへの移行に伴う導入作業を、
従来の10分の1程度に削減。
「Biware らくらく受注 Pro」の導入効果についてお聞かせください。
流通BMSでの新規取引先の追加に伴う導入作業を、従来の手組み開発の時と比べて10分の1程度にまで削減できました。取引先の仕様書を何度も確認して対応していた当時のことを振り返ると、その差は歴然です。当時は仮に運用がスタートしても、仕様書に記載のない事態が発生して修正対応に追われるケースもまれにあることから、気が気ではありませんでした。今後流通BMSでの取引はまだまだ増えていくと思いますが、「Biware らくらく受注 Pro」なら得意先アダプターを追加するだけで取引先の追加にも容易に対応できるので安心です。
それでは、「Biware EDI Station」の導入効果についてはいかがでしょうか。
“導入の決め手” のところでも触れましたが、ジョブ設定の柔軟性が高いため、万が一変更が発生しても最小限の作業負担で対応できる点は大きな効果です。
あとは、取引データを受信してから基幹システムに渡すまでの一連の処理を「Biware EDI Station」のワークフロー機能を使って自動化できた点も効果と言えます。それまでは、例えばデータの受信は自動化できても基幹システムへ受け渡す段階で専用ソフトでの操作を必要とするなど、人手による作業が一段階発生していました。それがなくなったことで取引業務の省力化につながったと思います。
その他「Biware EDI Station」は、ブラウザー環境さえあれば機種やOSを選ばずどのPCからでも管理画面を操作できるため、運用上の利便性が高いと思います。当社の場合、取引先によっては業務の都合上、古いPCを使わざるを得ないケースがあります。どのPCからでもワークフローの構築やジョブの管理ができる点は、運用面での導入効果であると感じています。
最後に、EDIシステムに関する今後の改善予定などがあればお聞かせください。
レガシーEDIについては、現在旧システムと「Biware EDI Station」を併用して少しずつ移行作業を進めています。レガシーEDIは全部で80社ほどの接続先がありますが、まずはこちらの移行作業を速やかに進め、「Biware EDI Station」で1本化したいと考えています。