2024年問題‐PSTNからIP網へ
業界が注目するEDIの今後

固定電話やISDNサービスなどの公衆交換電話網(PSTN)が、2020年ごろから2025年ごろにかけて段階的にIP網へ移行する予定にあることがNTT東日本/NTT西日本より、すでに公表されています。IP網への移行に際し、原則利用者は既存の環境に手を加えることなく利用可能となるようですが、一部終了が予定されている機能・サービスもあり、EDIの世界において対応が求められるケースも想定されます。
ここでは、PSTNからIP網への移行に伴うEDI業界の対応動向などについてご紹介します。

株式会社インターコム
ISDNサービス2024年終了

PSTNからIP網への移行について

PSTN(Public Switched Telephone Networks)は、固定電話回線などを提供するための電話網のことです。電話交換機で構成される固定電話回線のコアネットワークとなりますが、この電話交換機が2025年ごろに寿命を迎えるとされています。電話交換機はVoIPを活用した電話網の到来によって現在では、ほぼ製造がなされていません。そのため、移行に必要な期間を5年程度と想定し、2020年ごろから2025年ごろにかけて順次切り替えが進む計画となっています。

IP網への移行に際し、原則として利用者の既存の環境に変更は入らないとされています。ただ、ISDNサービス(INSネット/ディジタル通信モード)は2024年初頭のサービス終了が予定されており、従来型EDIの通信インフラに影響が出ることも想定されます。またコスト削減の観点から、インターネットなどを活用した新しいEDIの採用を併せて検討していく良い機会でもあります。


PSTNからIP網へ

ISDNサービス終了に伴うEDI業界の対応

“ISDNサービス(INSネット/ディジタル通信モード)の終了”に限らず、“多様なデータ形式に対応できない”、“同期通信モデムの製造・販売が減少している” などの要因から、各EDI業界では従来型EDIからインターネットをインフラとする新しいEDIへの移行を推進する動きが進んでいます。ここでは、その一部についてご紹介します。

  • 流通業界(食品・日用品・衣料品系)

    流通業界(食品・日用品・衣料品系)

    取引量の多い食品などの流通業界では、他業界と比べてインターネットEDIの普及活動が積極的に進んでいます。業種業態の枠を越えて、製(メーカー)・配(卸売)・販(小売)の流通三層構造におけるサプライチェーン全体の効率化を目指した新しいEDI標準として 「流通BMS(Business Message Standards)」が2007年に公開されました。現在では、流通システム標準普及推進協議会によって更新・普及活動が進んでいます。
    「流通BMS」では、通信手順としてインターネットEDIのJX手順、EDIINT AS2、ebXML MS(V.2.0)がそれぞれ規定されています。またXML形式による26種(基本形 Ver.1.3.2)の業務メッセージが規定されています。
    その他、酒類・加工食品の分野でVANサービスを展開する「FINET」をはじめ、業界VANもインターネットEDIへの移行を推進しています。

    【参考サイト】流通システム標準普及推進協議会 【参考サイト】FINET(VANサービス)
  • 電子機器業界

    電子機器業界

    電子機器メーカーと電子部品・半導体メーカーの双方にとってビジネスプロセス全体の最適化を図るべく、新しいEC標準の「ECALGA (Electronic Commerce ALliance for Global Activity)」が2003年に公開されました。現在では、電子情報技術産業協会(JEITA)ECセンターによって更新/普及活動が進んでいます。
    「ECALGA」では、開発基盤としてebXMLを採用しており、最新のガイドライン(JEITA/ECALGA ebXML実装ガイドラインVer.2.0)では、通信手順として、インターネットEDIのebXML MS(V.2.0)、およびebXML MS(V.3.0/JEITA共通クライアント手順)が規定されています。またXML形式による各種業務メッセージが規定されています。

    【参考サイト】JEITA ECセンター
  • 自動車業界

    自動車業界

    自動車業界では、セキュアなEDIネットワークのインフラとしてJNX(Japan Automotive Network Exchange)が2010年より正式に稼働しています。IPsecによりネットワーク上のセキュリティが担保されており、自動車メーカーや部品メーカーはインターネットや専用線などを通じてアクセスします。
    セキュアな業界ネットワークが既に構成されているため、通信手順は全銀TCP/IP手順やFTPといった従来型の手順が利用されています。また業務メッセージは、国際標準であるUN/EDIFACTが採用されています(JAMA-JAPIA EDIFACT)。その他、納入や検収などの業務に必要な現品票、かんばん、納品書などの帳票類についても標準化がなされています(JAMA-JAPIA EDI標準帳票)。

    【参考サイト】日本自動車工業会 【参考サイト】JNXセンター
  • 化学業界

    化学業界

    化学業界では、XMLベースの標準EDIとして「Chem eStandards」が世界的に普及しています。日本でも、石油化学工業協会のCEDI(Chemical EDI Initiative)によって、「Chem eStandards」の普及活動が進んでいます。「Chem eStandards」では、通信手順としてインターネットEDIのRNIFを採用しています。併せてXML形式による72種の業務メッセージが規定されています。
    その他、化学業界ではPSTNマイグレーションに向けて、ビジネスプロトコルは従来型EDI標準のJPCA-BP(CII標準)を踏襲、通信プロトコルに全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)採用することを基本方針として掲げています。

    【参考サイト】CEDI
  • 医療業界

    医療業界

    医療業界では、分野別に業界VANを経由したEDI取引が主流です。医療機器の分野では、VANとWeb-EDIのサービスを展開する「@MD-Net」が事実上の業界標準となっています。発注、欠品、仕切、預託貸出などのメッセージ交換がメーカーと販売会社の間で行われています。
    「@MD-Net」のVANサービスでは、通信手順としてインターネットEDIのEDIINT AS2、ebXML MS(V.3.0)、JX手順による接続をそれぞれサポートしています。

    【参考サイト】@MD-Net
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